管理番号22番:被虐的な彼女 ①
概要:管理番号22番は、南部王国の近衛隊長を務めていた女性です。
彼女の異常性は、南部王国と東部帝国の戦闘の際、彼女が東部帝国の捕虜となった際に発生しました。
東部帝国では、彼女の異常性によって、帝国内で内乱が発生し、内乱は一度は鎮圧されましたが、断続的に継続中です。
点検行為の際は、くれぐれも管理者は彼女の接触しないようにして下さい。(接触する場合は、短時間の接触を心がけ、点検行為を行ったものへの十分な注意を払って下さい)
「……え? 今回は……あの人?」
俺の前には……綺麗な女性が立っていた。綺麗な金髪に、青い瞳……そして、俺を睨んでいる。
しかし、その服装はボロボロで、それこそ、囚人の服のようだった。
「き……貴様! 何者だ!」
女性は凛とした声でそう叫んだ。俺は思わず慌ててしまう。
『問題ありません。彼女に接触して下さい』
ライナのその言葉に、俺は渋々彼女に近寄っていった。
「えっと……君は、どうしてここに?」
「うるさい! 貴様に言う必要はない!」
……その時、俺はなんだかわからないが、ものすごくムカついた。
無論、彼女に大してだ。意味がわからなかった。
言い表せない怒りが、こみ上げてきたのである。
「……あのさぁ、俺、普通に聞いているだけなんけど?」
俺が思わず語気を強めてそう言ってしまうと、彼女は少し怯えた様子で俺を見る。
益々俺は怒り……いや、怒りではなく、俺の中で「彼女に攻撃を加えたい」という欲望が大きくなってくる。
「ふ……フフッ……どうせ、殺すのだろう? 私も騎士だ! 潔く死ぬさ!」
……我慢の限界だった。俺はそのまま彼女に近づいていって……彼女の頬を平手打ちした。
「……あ! ご、ごめんなさい……!」
叩いてから俺は思わず彼女に謝った。意味がわからない……なんでこんなことを?
彼女は頬を赤くして、涙目になりながら俺を睨む。
「暴力か……いいだろう。気の済むまで殴れ! この下郎が! 私は誇り高い騎士だ! 暴力には屈しないぞ!」
……もう、ダメだった。
その後は俺は彼女のことをひたすら殴った……特に腹部を集中的に攻撃した。
彼女が辛く、悲しそうな顔をすればするほど、もっと痛めつけてやりたいという気持ちが大きくなる……俺はその気持を止めることができなかった。
そして……十分ほど立った。
「ま……満足か……?」
かすれるような声で、彼女はそう言った。
彼女は地面に倒れていた。会話はまだできるようだ。しかし、腹を抑えている。
もしかすると、内蔵が潰れてしまったかもしれない……それでも、俺はまだ彼女を痛めつけてやりたかった。
『そこまでです。管理番号1番』
そう言われて俺は我に返った。ライナ……そうだ。これは点検行為なのだ。
『部屋から出て下さい。確認したいことがあります』
そう言われて俺は部屋を出ようとする。出る際に今一度彼女を見る。蹲ってはいたが……死んではいないようだった。
殺してやりたい……そんな邪悪な気持ちさえ、俺の中に芽生えてしまった。
「お疲れ様でした。管理番号1番」
部屋から出ると、ライナがいた。その瞬間、俺はどうしようもない欲望に駆られた。
ライナを……痛めつけてやりたい。
おかしい……そんなことをしてはいけないという気持ちがありながらも、殴って、涙目にしてやりたかった。
「……どうかしましたか? 管理番号1番?」
「え……いや、なんでもないよ……あはは……」
ダメだ……我慢しろ……我慢。
俺はギュッと拳を……先程まで、さんざん管理番号22番を殴り続けていた拳を握りながら、なんとか欲望を抑えたのだった。




