管理番号17番:悪辣な魔力源 ②
次の日。俺は目覚めた。
その瞬間……何か変な感じがあった。
なんというか……違和感だ。いつもの部屋には感じない違和感。
俺はなぜか扉の向こうに向かっていく。
「……あれ。これって……」
見ると、扉は……開いていた。
いつもならば鍵が閉まっていて、外に出ることは出来ない。しかし、開いているのだ。
「……え、ライナ……これって……」
俺はゆっくりと扉を開けて、廊下を見てみる。
廊下は相変わらず薄暗い……誰もいないようだった。
「ライナが閉め忘れて……いやいや、あのライナに限って……」
しかし、扉は開いている……俺は不審に思いながらも、廊下に出てみた。
廊下は続いている……とりあえず、保管部屋の方に行ってみることにした。
松明が照らす廊下を歩き、俺は保管部屋の集まった廊下にやってくる。
「……まさか」
俺はとりあえず扉を確認してみることにした。
とりあえず、昨日点検した管理番号17番……ドアノブに手をかける。
「え」
開いている……扉の先を見てみた。部屋の中には何もない……あったはずのあの本も存在しないのだ。
「これって……ライナ?」
扉を管理できるのはライナだけだ……だとすればこれは……
「ライナ!」
俺は廊下に出て叫ぶ。しかし、返事はない。
「ちょっと! うるさいわよ!」
と、扉が開いて怒りの声が聞こえてきた。
「あ……管理番号14番……じゃなくて、女神様……」
見ると、管理番号14番……ではなく、女神様が部屋から顔を出していた。
つまり、これは……
「あれ? 信者1号じゃない。こんなところで何しているの?」
「あ……女神様、その……ライナを見ませんでした?」
「ライナって、あの魔女? ああ、なんか今日変だったわね」
「え? 変って?」
すると、女神様は眉間にシワを寄せて考え込む。
「なんかいきなり部屋の扉を開けてきて『ここから出ていっていいですよ』って。意味がわからなかったから放っておいたわ。私、この場所気に入っているし」
「え」
俺はそれを聞いて慌てた。そのまま保管部屋の別の扉を調べる。
結果として……管理番号1番から管理番号17番までの扉がすべて開いていたのだ。
おまけに……
「……管理番号11番がいない」
どうやら、管理場号11番は脱走したらしい。
脱走……そうだ。この禁忌倉庫は一応外に出ることが出来る。
「どうしたの? 何かまずいことになったの?」
のんきにそう聞いてくる女神様……
「……あ、そうだ!」
こういう時……どうすればいいかわからない時……
一人だけ、この女神様よりも頼りになりそうな危険存在がいたな……
「……女神様、ついてきて!」
「え!? ちょっと! 信者1号、どこ行くのよ!?」
俺は無理やり女神様を引っ張って、管理番号8番の保管部屋に向かったのだった。




