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禁忌倉庫の管理記録  作者: 松戸京
管理番号11~20
40/80

管理番号17番:悪辣な魔力源 ②

 次の日。俺は目覚めた。


 その瞬間……何か変な感じがあった。


 なんというか……違和感だ。いつもの部屋には感じない違和感。


 俺はなぜか扉の向こうに向かっていく。


「……あれ。これって……」


 見ると、扉は……開いていた。


 いつもならば鍵が閉まっていて、外に出ることは出来ない。しかし、開いているのだ。


「……え、ライナ……これって……」


 俺はゆっくりと扉を開けて、廊下を見てみる。


 廊下は相変わらず薄暗い……誰もいないようだった。


「ライナが閉め忘れて……いやいや、あのライナに限って……」


 しかし、扉は開いている……俺は不審に思いながらも、廊下に出てみた。


 廊下は続いている……とりあえず、保管部屋の方に行ってみることにした。


 松明が照らす廊下を歩き、俺は保管部屋の集まった廊下にやってくる。


「……まさか」


 俺はとりあえず扉を確認してみることにした。


 とりあえず、昨日点検した管理番号17番……ドアノブに手をかける。


「え」


 開いている……扉の先を見てみた。部屋の中には何もない……あったはずのあの本も存在しないのだ。


「これって……ライナ?」


 扉を管理できるのはライナだけだ……だとすればこれは……


「ライナ!」


 俺は廊下に出て叫ぶ。しかし、返事はない。


「ちょっと! うるさいわよ!」


 と、扉が開いて怒りの声が聞こえてきた。


「あ……管理番号14番……じゃなくて、女神様……」


 見ると、管理番号14番……ではなく、女神様が部屋から顔を出していた。


 つまり、これは……


「あれ? 信者1号じゃない。こんなところで何しているの?」


「あ……女神様、その……ライナを見ませんでした?」


「ライナって、あの魔女? ああ、なんか今日変だったわね」


「え? 変って?」


 すると、女神様は眉間にシワを寄せて考え込む。


「なんかいきなり部屋の扉を開けてきて『ここから出ていっていいですよ』って。意味がわからなかったから放っておいたわ。私、この場所気に入っているし」


「え」


 俺はそれを聞いて慌てた。そのまま保管部屋の別の扉を調べる。


 結果として……管理番号1番から管理番号17番までの扉がすべて開いていたのだ。


 おまけに……


「……管理番号11番がいない」


 どうやら、管理場号11番は脱走したらしい。


 脱走……そうだ。この禁忌倉庫は一応外に出ることが出来る。


「どうしたの? 何かまずいことになったの?」


 のんきにそう聞いてくる女神様……


「……あ、そうだ!」


 こういう時……どうすればいいかわからない時……


 一人だけ、この女神様よりも頼りになりそうな危険存在がいたな……


「……女神様、ついてきて!」


「え!? ちょっと! 信者1号、どこ行くのよ!?」


 俺は無理やり女神様を引っ張って、管理番号8番の保管部屋に向かったのだった。

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