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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
1章 異世界で生活していく為に
9/72

9 取り柄は足だ。走れ

『シン君起きて!朝だよ!』


 頭に響く美佳の大声で眼を覚ます。


『おはよう。今何時位?』

『もう早朝の鐘が鳴った後だよ。依頼受けるんじゃなかったの?』

『そうだった。起こしてくれてありがと』


 俺は飛び起きると今日から冒険者だと意識を切り替え昨日の服と魔法の靴をリュックからだし着替えてから部屋を飛び出した。リュックはおいていくことにして支給されたショルダーバックにギルドカード短剣、硬貨の入った袋を入れている。俺は冒険者ギルドに向かって走りながら会話を続ける。


『お金に余裕ができそうだったら服も買わないとなぁ。そういえば昨日はコーシーさんとどんな話をしたの?』

『気になる?エルフの森には上位精霊も結構いるみたいだよ。時間ができたら連れてってくれるって。もちろんシン君も一緒にね。あとは秘密ー。でも一応私とシン君の関係とかは秘密にしておいたよ』

『そっか。了解。精霊かぁ。俺は美佳以外は見えないんだろうなぁ。エルフさんの特権か。見てみたいな』


 そんなことを話していると冒険者ギルドに着いた。中に入ったが昨日とは違い何人かの職員と思われる人以外は誰もいなかった。その中にピエールさんを見つけたので近づくとピエールさんもこちらに気がついたようだ。


「おはようございます」

「お、しっかり起きれたみたいだな。ギルドカードだしな」

「どうぞ」

「オーケー。昨日も話したが依頼は2、3つある。時間内にできる限りやっていこう。まず中央の広場に赤い木箱がおいてる目立つからわかるはずだ。その中に封筒や紙がたくさん入っていると思うから取ってきてくれ。これがカギだ。無いとは思うがもし誰かに襲われたら特徴を覚えて全力で逃げてこい荷物は捨てていい」

「了解です。では行ってまいります」


 俺は全力で中央の広場へと向かった。さっきも少し思ったがこの靴すっごい走りやすい。履きなれてる靴だしあまり変わらないだろうと思っていたが同じなのは見た目だけのようだ。

 広場までの道にはまだ人がほとんどいなかった。昨日の活気が嘘のようだ。広場に着くと確かに赤く目立つ。ポストかと心の中で突っ込みながら中の手紙を支給された袋に入れて来た道を逆走し始めた。

 戻るころにはかなり息が切れていた。体は前世のものより少し劣っているようだ。少し息を整えるとショルダーバックから持ってきたものを出してピエールさんに渡した。

 

「思ったよりかなり速かったな。結構体力鍛えてんのか。ちょっと待ってろ」


 ピエールさんはパラパラと封筒を見ると何枚かの紙を用意して何かを書き始めた。


「これをメイン通りの武器屋と防具屋に届けろ。地図は無くてもわかるだろうが別の機会に使うこともあるだろう。渡しておく。入口も通りに大きくあるからわかりやすいだろう。両方この町で一番の規模の店だからな」

「これはなんなんですか?」

「うむ。依頼内容に疑問を持ったらしっかりと聞くのも大事だな。本来依頼を出したいときは直接ギルドに持ってきてお金を払うんだがな。時間的に来られない人はあらかじめギルドにお金を預けておいてさっきの木箱に依頼だけ入れておくとこちらで自動的に依頼を出すよって寸法だ。預けてある金が少なってきたってことを通知する手紙だ。いつもなら先に依頼を掲示板に張るんだけどな。この2つの店と今くらいの足なら依頼整理してる間に行ってこれるだろう。急げよ」

「はい。行ってきます」


 俺は手紙を受け取るとダッシュではなくランニングペースで大通りを走り始めた。少し走ると目的の店はみつかった。2軒とも隣あっていた。片方は武器屋でもう片方は防具を扱っている店のようだ。店に入ると掃除をしている若者がいたのでギルドからの手紙だから店長さんを出してくれというと奥の部屋に案内してくれた。部屋に入るとどちらの店も話し合いをしていた。その空気の中に入る勇気はなかったので入口でギルドからの手紙とことを伝えると一番近くにいた人が受け取りに来てくれたので俺は手紙を渡して逃げるようにギルドへと走って戻った。


「戻りました」

「お疲れさん。じゃぁ最後の依頼だ。さっきも言ったがこの依頼の紙を貼ってきてくれ。既にランク別になっているから。期限は朝の鐘までには終わらせてくれればいいよ。今は7時だし急がなくても間に合うだろう」

「了解です」


 走るのは好きだがこういう地道な作業は得意ではないので1つ1つ丁寧に張っていく。時間はあるのだ。ゆっくりやろう。それでも大した量はないので10分もかからずに終わってしまったのでギルドに報告に戻る。


「おぉ、これも終わったか。おい、確認してきてくれ。……しかし早いな新人冒険者に頼むといつも時間ぎりぎりになるんだけどな」

「走るのは結構得意なので。体力はまだ全然ないですけど」

「そんなことも無いと思うけどな」

 

 ちょっと体力の減り具合に凹んでいると、確認に行ってくれていた職員の人が戻ってきた。


「全部大丈夫です。かなりきれいに張られていました」

「オーケーだ、じゃぁシンよ。今回の以来3つすべてにB評価をやろう。これで6ポイント稼いだわけだ。100ポイントなんてすぐ行きそうだな。それとこれは報酬だ。明日もまた来いよ」


 報酬は大銅貨3枚だった。

(毎朝これをもらえるならこの後の働き次第だけど生活は楽になりそうだな)


 俺は一度宿に戻り朝食を頼み食べ終わるとまた冒険者ギルドに向かって歩き出した。その時ちょうど朝の鐘が鳴った。


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