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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
2章 新人冒険者はじめました
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64 飛龍討伐と攻撃魔法

戦闘描写にも向いてない。心折れる。

 飛龍。そう呼ばれた魔物は赤いプテラノドンのような見た目をしていた。魔物は前衛の冒険者を通り越して俺たち回収係めがけて急降下してきた。知能が低いとはいえ、誰が一番弱いかを考えることは容易に判断出来たのでだろう。7体の飛龍の内、2体はオリバーさん、4体はムキムキの人と行動を共にしていた冒険者、そして最後の1体は俺に来た?

(あれ、俺武器持ってるよ?なんで俺に来た?外見か?)

 そんなことを考えている間にも飛龍は近づいてくる。速い。空と陸では感じ方が違うかもしれないが、ウルフよりもかなり速く感じる。

 7匹が息を吸う。それと同時に炎が見え隠れする。


『魔力を口に集めてるわ』


 美佳が忠告をしてくる。あの飛龍は魔法を打とうとしてるのだろう。

 俺は反射的に息を吸い込んでいる口を狙って短剣を投げる。そのままもう一本の短剣を構える。

 雷鳴が轟く。オリバーさんの方の飛龍はロウバァさんが、もう一方はコーシーさんが撃墜したようだ。

(他に雷属性の魔法を使える冒険者はいないのか……)

 あと狙われているのは俺だけだ。短剣は口の中には入らず嘴に当たった。多分反射的に避けたんだと思う。まぁ、当たっても効果があったかどうかは微妙なところだ。刃が当たったのに傷1つ付いていないのだから。

 飛龍から吐かれた炎弾が迫る。俺はその炎弾に向けて右手を出す。どんな衝撃があっても短剣は話さない。そう決意をして。そして……着弾。

(熱っ!!!)

 その瞬間、羽織っていた水の衣の右手部分が一瞬沸騰する。

 だが、右手の火傷を代償に炎を消せたのだ。戦闘での使用は初だが効果は十分だった。そう思い衣を解除する。

 炎弾を避けることは可能だ。しかし、相手が突っ込んできた場合、避けた後は隙が出来るのだ。今の俺にそれも避ける身体能力などない。

 案の定、飛龍は突っ込んできている。その軌道は反比例グラフのそれ。

 この1体を倒せばいいのだ。避けるなんてことはしない。このブレーズさんが作ってくれたこの剣の耐久を信じて飛龍の嘴を止める。周りに金属音が鳴り響く。鉄と鉄をぶつけた音だ。俺は反動に耐えられず後ろに飛ばされる。飛龍との距離はぶつかった時と同じでそのまま俺の短剣にくらいついている。

 俺は左手を飛龍の胴体に当てるとずっと待機練っていた魔法と唱えた。


穿貫水(ウォーターランス)


 俺はそのまま転がる。飛龍は上と下できれいに真っ二つになった。ついでに嘴も折れた。ブレーズさん作の短剣は打っているものと比べると性能は段違いのようだ。

(速く本陣に戻らないと……。戦闘は数秒で終わったとはいえそろそろ前衛陣が戻ってくるだろ)

 そう思うが体が動かない。意識はしっかりしているのに動かせないのだ。

 少し経つとピエールさんが馬で向かいに来てくれました。

 今、担がれて馬に揺られています。正直気持ち悪い。酔う……。

 人に戻るとシスターのような人が俺の治療をしてくれた。

 その人が何かを唱えると俺は光に包まれた。地面を転がったことによる掠り傷や打撲が全く分からなくなった。ついでに営業もされた。怪我をすぐに直したいときは協会にどうぞ、だそうだ。因みに有料。

(これが光魔法か。元気も出るな。そういえば、なんでだろう。火傷してなかったな)

 そう思いながら体を動かす。


「良く倒せたな。あいつCランクの魔物の中でもかなり上位の方魔物だぞ。一応龍種でな、出てくるのもかなり珍しいんだ。多分10年ぶりくらいだろう」

「あ、ピエールさん。すみません運んでもらっちゃって。運良く倒せたまではよかったんですが動けなくなってしまって」

「運良くでも普通は倒せないんだよ。少なくとも初撃のあれは普通は盾職がいないとCランク冒険者パーティでもきつい」

「そうなんですか」

「そうなんだよ。まぁもう役目は終わったんだ。魔法鞄を返して休みな」


 言われた通り魔法鞄をピエールさんに返す。そういえば飛龍に投げた短剣は回収できなかった。そこまで高いものではないので気にしないが。

 それから2時間が経っただろうか。魔物の討伐は終了した。もう日は城壁の奥に隠れかかっている。冒険者たちは各自ぞろぞろと帰って行った。ギルドの職員たちは最後の魔物回収と選別で忙しそうだ。

 この討伐に関しての報酬は無い。その代り。明日は街のどこの飲食店も領主持ちで食べ放題飲み放題だそうだ。勿論魔法鞄の持ち込みは禁止。これこそが本当の祭りなのだろう。

 宿に帰るとき、ピエールさんに明日の朝ギルドに来るように言われた。

 宿に付き、階段を上がり部屋に入るとそこには何故かコーシーさんがいた。


「シン君、私はしっかり見てたわよ。あの水魔法を私に教えて貰えないかしら?」


 俺は他人に話さないという条件で純水の考え方とウォータージェットの理論を話した。残り魔力がまだあったらきっと魔法の練習にも手伝うことになっていただろう。そのくらいの食いつきようだった。

 コーシーさんが出て行った後、俺は倒れるようにベットに入り眠りについたのだった。

 美佳さんセンサーと化してますね。ゴメンヨ

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