60 お金の使い道
誤字脱字……いつ直そう
魔法の実験をしてから1週間が経った。
水属性の魔法を使うと周りからどんな目で見られるか分からないのですべて短剣での近接と投擲だけで狩りをした。これといったハプニング等は無かった。
今日からは宿の契約を1日おきにした。
そしてこの1週間で俺の予定通りに事が進んでくれたことが1つ。それは、マヨネーズである。すぐに話題になったらしくいつもより多くの客で賑わっていた。
俺がネイピアさんに言ったことは3つ。1つは太りやすい事を客に伝えること。揚げ物もそこそこだがマヨネーズなんてほぼ油だから気を付けた方が良い。2つ目はいつもの貴族が来たらレシピを教えて2つの注意を言う事。そして最後はレシピを公開しないということだ。
何故レシピを公開しないか。それは俺が金を稼ぐためだ。ソフィーさんに言われていた通り冒険者として稼ぐのは大変だろうと予想できた。目標も出来たし目的もできた。冒険の準備にはお金がかかることが分かった。だからこれからは稼げるときに稼ごうと思ったのだ。
朝の鐘と同時に満腹亭に向かう。そしてネイピアさんにそろそろレシピを公開する旨を伝えると次は鍛冶屋に向かった。
「こんにちわー」
大声で叫ぶとブレーズさんが出てくる。
「お、シンじゃねーか。どうだ調子は」
「結構慣れてきましたね。毎日同じことをしていますが、成長を感じながらできているので楽しいです」
「そうか。Dランクになるのに一年ぐらいかかるから頑張れよ。どれ、武器の手入れをしてやるからちょっと寄越せ」
「お願いします」
俺の腰にある剣をを指さしながら言う。作ってもらった2本を渡すと短剣も見てやると言われたので鞄から5本すべてを出す。
「おいおい、もう魔法鞄を持ってるのか。まぁいいか。ちょっと待ってろ」
20分後、新品同様になって俺の短剣が戻ってきた。
「ありがとうございます」
「いいんだよ。それで?今日は何の用事で来たんだ?」
「はい。ブレーズさんはマヨネーズって食べましたか?」
「おう。満腹亭のところのだろ。太りやすいって注意を受けながら食べたよ。その分運動してるってんだ。それがどうかしたのか?」
「実はあれ作るための料理道具がありましてね。それをまた作ってもらおうかと思って」
「ほほぅ。詳しく聞かせてくれ」
ブレーズさんの目がギラギラと輝く。
(これはお金ではないな。新しいものに対する興味だろう)
泡だて器の詳細を伝えるとブレーズさんは簡単に作ってくれた。
(鍛冶屋ってなんでも作れるんだな。ブレーズさんが特別な可能性もあるけど。こんな細かいものも作れるだからなぁ)
ブレーズさんと商業ギルドに入るとこの前と同じ人がこちらに気付いた。
「これはこれは、ブレーズさんにシンさんじゃないですか」
「どうも、油使いのシンです」
俺は皮肉を込めて言う。
「いや、すみませんね。子供がこんなにすごいレシピを編み出したと聞いたものだから興奮してしまいまして、酔った勢いでぽろっと……。」
「まぁ、良いんですけどね。そこまで僕のことは気付かれてないようなので……」
(おいおい、職員がそんなんでいいのかよ……。それにしても酒の席か……そうやって噂は広まるんだな)
今回、泡だて器は金貨1枚。マヨネーズはなんと金貨5枚になった。ゴボウチップスより全然高い。
俺はお金も手に入り、残念な二つ名の流出理由が分かったとこで満足して商業ギルドをでた。丁度昼の時間ということでブレーズさんと満腹亭でご飯を食べてからわかれた。
午後は訓練場で体を動かしてから寝ることにした。
こっちの世界で覚醒してからもう2カ月が過ぎた。冒険者登録をして毎日依頼をして、Eランクになった。その後も1ヶ月の訓練等で何かを考える余裕もなく突き進んできたがようやく生きる事にも余裕が出てきた。手持ちは大体金貨6枚。日本円にすれば600万だ。同じEランクの冒険者さんたちはもっと安い宿に泊まり武器を買うためのお金を貯めている。
俺には溜めた金を使うものがない。いや、実際にはあるのだが美佳がどう思うか分からないので聞けないでいた。俺はベットに横になりながら美佳に語りかける。
『なぁ、奴隷ってどう思う?』
『どうしたの急に』
『いや、仲間って必要だろ。でもこの1週間話した相手と言えば受付の人位じゃん?これからも同じような生活する予定だからさ、人との繋がりが出来ないなと思って』
『え?結構いろんな人と知り合いじゃない?騎士にエルフにドワーフに、それからCランク冒険者。他にもマッチョが数人』
『いや、そうなんだけどさ。同じ位の実力の人がいないからさ。仲間にするなら奴隷かなと……』
『あーそういう意味ね。良いんじゃない?知り合って数日の冒険者よりも奴隷の方が安心ではあるよね』
『……意外だな。ミカは奴隷とか嫌がると思ってたのに』
『あんまりいい気はしないけどね。ちゃんと制度としてあるならね。それにシン君は酷い扱いしないでしょ?』
『それは勿論』
『なら私は気にしないよ。でもしっかり知識を得ようね。犯罪者とかだったら怖いもの』
『そうだな。まだまだお金は足りないと思うけど明日聞きに行ってみるか』
奴隷の値段……どうするか。




