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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
2章 新人冒険者はじめました
55/72

55 1日目の終わりと約束

平文って難しいですね。もうむちゃくちゃ

「なるほどな。臭みは血のせいだったのか。これで個体によってたまに味が変わることに説明が出来るわけだ」

「たしかにね。でもシン君は何故こんなことを知っていたのかい?」

「私はおいしいお肉が食べれるならなんも気にしないよー」


 なんかハンナさんだけただの食いしん坊キャラになっている気がするけど気のせいだよね。

 俺が説明を終えると今度はアランさんが夜営について教えてくれることになった。

 学生時代にキャンプで一夜を過ごすことはあった。でもこっちでの一夜とは確実に勝手が違うはずだ。なぜなら前は熊も出ないような山だったが今回は魔物が襲ってくる可能性があるのだ。しかもウルフなんて絶対夜行性だとおもう。俺は説明を一字一句聞き逃さないように集中した。

 夜営の方法はパーティや人数によって全然違うらしい。アランさんたちは3日のローテーションで4時間寝る日と8時間寝る人分けていたそうだ。時間がないときはそれが3時間と6時間になったり2時間と4時間と言っていた。これは最近になってで、まだ気配察知に自信が持てなかったDランクになりたての時は毎日、1人3時間ずつ寝る時間をとって9時間かけて見張っていたそうだ。

 見張る際の注意事項は絶対に火を途絶えさせるなということだった。ウルフは夜目が良く聞くそうで火がないとこっちが不利なだけだそうだ。

 今回は俺が初めてということで2人と2人に分かれて6時間ずつ合計で12時間休憩をとることにした。正直、かなり疲れているのでありがたい。別れ方は俺とハンナさん、エミーさんとアランさんになった。分け方の理由はハンナさんのサーチが一番確実だからだそうだ。

(本当は奥さんといちゃつきたいだけなんじゃないだろうか……)

 そんなことがふとよぎったが勿論言うわけもなく先に寝させてもらうことになった。

 6時間後、おそらく午前1時頃だろう。交代だと起こされた。そして砂時計を渡された。


「よし、この中の砂が全部おちたらひっくり返せ。6回全部おちたらひっくり返してから起こしてくれ。あとハンナが途中で寝たら叩き起こして構わん」


 そういってテントの中に入っていってしまった。

 そして今、俺はやることがなくて日まである。見張りと言っても火に木を足してあとは耳を澄ますだけ。

 きっと今の俺じゃウルフがかなり近くに車で気付くことはないだろう。その気付ける範囲を広くする訓練を実践でするだけだ。


「そんな、気を張ってなくも大丈夫だよー。少しずつ慣れていけば」


 緊張している俺を見てハンナさんがそんなアドバイスをくれる。


「はい……。すみません。暗くて何も見えないと少し怖くて」

「うんうん。そういえばお兄ちゃんも最初はそういってたなぁ」

「エミーさんやハンナさんは大丈夫だったんですか?……あ、風属性の魔法ですか」

「正解。お兄ちゃんなんか最初の方は私はウトウトするたびに怒ってたわ」

「……寝ないでくださいね」

「寝てても範囲に入ったら気付けるわよ」

「便利ですね」


 会話が途切れると無言の時間になる。別に気まずいとは感じないし、ハンナさんも気にした様子はない。まぁ、暗いし顔も火の灯りに照らされて見えているだけなので実際は分からないが。

 俺は深く考えることはせず美佳と会話を始める。


『やっと、冒険者みたいになってきたな』

『シン君、なに話しかけてきてるの?ハンナさんと会話しなさいよ』

『えー、別に大丈夫でしょ。慣れてると思うし』

『そんなわけないでしょ。たとえそうだとしてもせっかく話相手がいるんだから話した方が良いに決まってるよ』

『そ、そうなのか。分かった』

『あ、それはそうと明日皆が起きたらちゃんと血抜きを広めないように言っておいた方がいいと思うよ』

『あ、確かに。忘れてたよ』


 この後、特に魔物に襲われることもなくハンナさんとの日常会話を楽しみながら夜を過ごした。

 そして朝、テントの片付けが終わり朝ごはんを食べてる時に血抜きのことを話し始めた。


「昨日言い忘れてましたが、血抜きのことは僕たちだけの秘密にしてもらいたいです」

「え?なんで?こんなにおいしくなるんだよ?広めた方が良いって」


 すかさずハンナさんが反論してくる。


「ハンナちゃん待って、シン君何か理由があるのよね?」

「はい。見ていたアランさんなら良く分かると思いますが、血抜きをするのは結構危険だと思います。それ言新人には無理と言えるほどに。そうなるとベテラン冒険者が持ってくるホーンラビットの肉と新米が持ってくる肉の価値にかなりの差が出てしまう可能性があります」

「何か問題があるのか?」

「はい、おそらく肉の買い取り金額がすごい下がってしまうと思うのです。それでは冒険者になったものの収入が全く入らない冒険者はきっと危険を冒してでも血抜きをしようとするのではないでしょうか?」

「確かにな」

「それに、これは牛や豚などの家畜でも同じことができます……。もう僕にはこれがどう作用するか予想もできません。これは料理を広めるのとは全く違うことだと思います」

「分かったわ。じゃぁこのことは誰にも教えない方針で行きましょう」

「オーケーだ」

「はーい」


 俺たちは片付けをするとまた南へと歩き始めるのだった。

もう少しテンポよく……

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