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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
1章 異世界で生活していく為に
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5 金それと街

ご飯を食べ終わって少し経ち俺の心も少し落ち着いたところでロピタルさんが俺の年齢と村でやっていこと、得意なことを聞いてきた。あと泣いてメガネをはずしたことでメガネの存在に気付いたようで面白い形のメガネだなと言ってつけていたが度が入ってないなと呟いていたので鑑定をできるのは俺だけということが何となく予想できた。

 俺は眼鏡をつけて少し見渡してテーブルの上にある紙に書いてある文字をメガネが翻訳してくれたことを確認して答えた。


「年齢はちょうど10です。村では畑仕事を手伝ってました。体を動かすのは得意です。読みと計算は少しできます。書くのは難しいかと」

「10歳?私たちにもちょうど10歳になる息子がいるんだけどそれより全然落ち着いてるからもう2、3年は年をとっていると思ってたわ。ねぇあなた」

「そ、そうだな。うちのは冒険者になりたいとか毎日騒いで走り回ってるからな。それより読みと計算ができるんだな。村でだれか教えてくれたか?それとも街に何か伝手でもあるのか?」

「いえ、街に知り合いはいないと思います。……読み書きとかは両親に少し習いました。街に着いたら生活できる位の日銭が入る仕事をしたいと思います。もの運びとかの雑用をやる仕事ってありませんかね」

「そういうのは冒険者ギルドに依頼として出してもらってやってるわね。シン君が良ければ知り合いの商人紹介してあげるよ。計算できるなら大丈夫だと思うから。うちに来てもいいし」


 ソフィーさんが心配して言ってくれるが俺の頭の中はさっきから何回か会話に出てきている冒険者という言葉で埋め尽くされいた。

(冒険者か。やっぱり憧れるよな。今はまだやったらすぐ死んじゃうだろうけど出来たらやってみたいな)


「助けていただいてそこまで面倒を見てもらうのは申し訳ないです。その……冒険者として魔物を倒すのは無理かもしれませんが力仕事の雑用ならできると思うのでとりあえず冒険者として頑張ってみます」

「遠慮しなくてもいいのに……。このくらいの年頃の男子はみんな冒険者に憧れるのかしら。今の話を聞く限り無茶はしなさそうだけど気を付けてね。冒険者ギルドには私が紹介してあげるわ」

「まだ10歳なんだ。もっと大人を頼ってくれてもいいんだぞ。街に着いたらうちを紹介するから無理そうならいつでもうちに来なさい。お前さんならうちの息子のいい刺激になるだろう。さすがに冒険者として会いに来たら悪い方向に刺激になりそうだがな」


 ロピタルさんは最後はっはっはと豪快に笑いながら言った。よく考えるとどう見ても騎士様には見えない。


「あの、いくつか教えてほしいことがあるんですが」

「なにかしら?教えられることであれば教えてあげるよ」

「さっきリュックの中に父さんと母さんが貯めてたお金が入ってたのですが、商人とかとの交渉は全部大人がやっていたので価値があまりわかりません。大雑把でもいいので教えてもらえませんか」

「あらそんなこと?いいわよ。まず貨幣には銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨があってね。銅貨10枚で大銅貨、大銅貨10枚で銀貨というようにそれぞれ10倍の価値があるわ。白金貨なんて見ることはまずないでしょうね。一応ここにも金貨まではあるから実際に見てみるといいわ」


 話を聞いていたロピタルさんがいつの間に用意をしたのかほらよっと言ってテーブルの上に硬貨出してくれた。一応説明してくれているが大体見ればわかる。50円玉みたいに真ん中が空いてる丸いのが普通の銅貨どか、時代劇で見たような楕円型の一回り大きい硬貨が大銅貨などだ。


「たとえばですけど銀貨1枚でどのくらいのことができますか」

「銀貨1枚あればうまいもんを好きなだけ食ってもおつりがくるぞ」

「馬鹿なこと言ってないでもっと具体的な話をしてあげなさい。そこそこ豪華なディナーが大銅貨3枚くらいあればまぁ足りるわ。新人冒険者が止まってる宿なんかは高くても銀貨1枚くらいね。新人冒険者の依頼1回の稼ぎが大銅貨5枚くらいだから結構たいへんよ」

「そうなんですか。冒険者も大変そうですね」


 その後も少し話を聞いたあと馬車に戻って寝ることになった。

 聞いた話だと銅貨一枚大体100円くらいのようだ。多少のずれはあるがそう考えていて問題はないだろう。馬車に戻ると中で待っていた美佳に飯の時に話した事と冒険者になって金を稼ぐということを伝えて眠りについた。因みに精霊は寝る必要も食事の必要もないらしい。



「知らない天井だ」


 俺は起きたら言ってみたいと思っていたことを言いつつ起きる。そろそろ出発だろうかと考えたところで馬車が動いてることに気付いた。


『ミカ、俺はどのくらい寝てたんだ?』


 少し寝すぎたかと思い浮きながらうとうとしてる美佳に話かける。寝る必要がないとはなんだったのか。


『あ、シン君おはよう。もうすぐお昼だよー。何回かロピタルさんが覗いてたよ。寝てるから起こさないようにしてくれてるみたい』

『思いっきり寝すぎたな……。顔出すか』


 俺は馬車の天幕から顔を出した。


「お、シン起きたか。気分はどうだ?そろそろ街が見えてくる頃だから出てくるといい。馬乗れるなら1匹貸すぞ」

「おはようございます。気持ちよくて寝すぎてしまったようです。馬は乗れないので歩きます」

「そうか。まぁ疲れたら言えよ?馬に乗せてやるから」

「ありがとうございます。まぁこのペースなら早歩きくらいなので大丈夫だと思います。重い鎧来て馬に乗ってない兵士さんたちの方がすごいと思います。そう言えば街はどんな場所なのですか?」

「街か。きっと見たらびっくりするぞ。でかい城壁に村とは比べ物にならないほど多くの人がいる。城門の西には畑が広がっていて少し行くとお前たちがいたような村がたくさんある。もっと西に行くと王都がある。王都はダンジョンを中心に作られているから街よりさらに活気があるぞ。腕自慢が多い。東には草原でさらに行くと魔物の森がひろがっていて魔物はそこからくる。北も同じだが噂だと森にエルフの街があるらしくてな魔物は出て来ない。南は国境に近くに砦があるだけで特に何もない。最近は戦争も起きてないからそっちの方にも集落ができ始めてる。っとこんなもんかな話をしてる間に見えてきたぞ」

「おぉー確かにでかいですね」


 ロピタルさんの顔に意識を向けながら話を聞いていたため気付かなかったが前を見ると遠目にもわかるくらい大きい城壁が見えてきた。

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