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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
2章 新人冒険者はじめました
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42 辛いのは食事

 俺が魔法を使った瞬間、魔力が一気に抜けたかと感じるとイメージよりかなり小さい球が出てきた。そしてそれを制御しようなどと思うこともできないほどの倦怠感に襲われ水球は床に落ちる。

(こ、これが魔力切れ……。慣れるなんて無理だろ)

 そんなことを思いながら膝をつくとそれを見ていたピエールさんが言う。


「最初でそんなに水が出せるのはすげーな。さすがの魔力量ってところか。まぁ魔力切れしたし時間的にも丁度いいから飯にするか。ほらシン立てるか?」

「はい。これが魔力切れですか……。辛いですね」

「あとで経験させようと思ってたから丁度良かったよ。今のうちに何度も経験して慣れておいた方が良いぞ」


 俺はそのままピエールさんに食堂まで連れていかれた。


「冒険者たるもの飯は食べれるときに食べなくてはつらくて食べたくなくても時間があるなら腹に何かを入れておくってのも大事だぞ。状況がいきなり変わるってこともあるからな。ま、ゆっくり食べてくれ。俺は食べ終わったら少し仕事してくるから。2時間後に訓練場でな」


 言われたとおりに食べる。いきなりの激しい運動の後のような感覚で食べると吐きそうだ。少しずつ食べることにしよう。


「そ、そういえば一つ気になったことがあるのですが、聞いてもいいですか?」

「ん?なんだ」

「僕はステータス調べて魔力の感覚つかんだ後、魔法が使えるにまで至りましたけど他の冒険者さんたちはどうしてるんですか?」


 ピエールさんはご食べながらも答えてくれた。


「そうだな。まずステータスは有料だが誰でも調べに来れるぞ。シンも無料なのはこの訓練期間だけだから最後の方にもう一度見るようにな。で、魔法はだ。俺が教えて内容は本に載っている情報だ。ちょっと高いが少しお金を貯めれば誰でも簡単に手に入るだろう。ほとんどが何人かでお金を出し合って買い回し読みして売るってことをしてるから安いのもあるしな」

「そうだったんですね」

「ま、訓練付きで教えてもらえるってのがGから始めたやつの特権ってわけだ。代金もほぼ食事代だけだしな。おし、ご馳走さん。じゃ、またあとでな」


 そういうと受付の方に行ってしまった。俺は少し気分が楽になってきたのを感じつつ食べる。


『そういえば、ミカにも精霊のことで聞きたいことあるんだけど』

『な、何かな?』

『さっき魔法使った時も、魔力操作の時みたいに手伝ってくれたよね?』

『なんだ、そっちか。うん。手伝ったよ』

『そうか……じゃぁ熟練度Fと考えて魔力量Bのすべてを使ってあの水の量なのか。他の属性のことは知らないけど、これは確かに使い物になりそうにないな』

『そうだねー。中位の水の精霊と契約したらもう少し良くなるんじゃない?』

『でもピエールさんがかなり鍛えなきゃみたいなこと言ってたしそこまでが大変だ』

『んーそれなんだけどね。多分私がいれば大丈夫だよ』

『どういうこと?』

『宿屋のあのエルフさんから聞いたんだけどね。エルフは精霊が見えててある程度、意志疎通が出来るから複数と契約できるんだって』

『へぇ……。ってことはコーシーさんやロウバァさんは契約してるからあの適性ってことか』

『んー。両方契約してないと思うよ。エルフさんたちは基本いつでも契約できるから当分必要がなくなると契約切るんだって』

『はい。あの状態から更に強くなるのね……。そういえばコーシーさんから聞いたってことはミカもかなり前から契約のことは知ってたの?』

『うん。知ってたよ』

『そっか。でもまぁ、そんなに重要な情報でもないしな。で、一番気になってることなんだけどさ、ミカとも契約できるのかな?』

『出来るとは思うけどいいの?あのエルフさんの話だと下位と中位で同じ属性とは契約できないみたいだったから上位精霊の私と契約したらどうなるかわからないよ?私、属性も曖昧だし。契約なんてしなくてもサポートできるし』

『確かにな。でもやっぱり契約するのを1つ選ぶならミカを選ぶよ。それに言ってただろ。契約した場合と気まぐれで手伝ってもらう場合だと効果が違うって言ってただろ。一応上位精霊だしすごいかもしれないじゃん』

『もう、一応って何よ。私はちゃんと上位精霊です。他の精霊には無属性の魔力の調整なんてできないんだから』


 そんな会話を脳内でしている間にご飯を食べ終わった俺は訓練場に向かった。着くとすでにピエールさんが訓練場の隅にある椅子に座って待っていた。


「お、来たな。じゃぁ午後の訓練を始めるか。今日から2週間は戦闘訓練は行わない。武器を決めるのも3週目からだ。最初は体つくりをする。冒険者は何よりも体力が必要だからな、走るぞ」


 そのまま北門まで行くと西門まで走り門番から棒を貰って来いと言われた。徹底的に走らされるらしい。

 見張りの門番にそんなことをさせていいのかと思ったが1人くらいは大丈夫らしい。そしてピエールさんの話によると明日からも依頼運び、朝食、筋トレ&ダッシュ、昼飯、走り込みで最後に自主練らしい。勿論おれは自主練は魔法の訓練をするつもりだ。






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