26 ミカ様、神様、女神様
「ん?……あぁ依頼か。そういやそのために来たのか。えっと薬草採取の依頼か。1昨日までロウバァのところで手伝ってたんだ。薬草になるものがどんなものかはわかるな?わからなかったら一応まとめて書いてある本があるから見ておきな。魔力草に関してはまだ見分けられないと思うから気にするな。Eランクになった時におしえてやる。場所はどこにでも森付近なら基本どこにでも生えているが魔物と遭遇しないためにも北口付近を探してみると良いぞ。なにか質問はあるか?」
「はい。1つはポイントについてなんだすけど、1回の達成で1回のポイントたんですか?あと、これは秘密にしてほしいんですが、一応魔力草と薬草の見分けもでできるのですがその場合は分けた方がいいですか?」
あまり他人には話さない方がいい内容だがピエールさんを信用して話した。まだたったの2週間で信用もなにもあるかとは思うが、ギルドで新人担当なんてやっている人が信用できないわけがないという勝手な予想も信用を手助けしている。
そのピエールさんはというとかなり驚いた表情をしている。
(やはりスキンヘッドの表情はどんなものでも凄味があるな)
「なに?シンはどこかで魔法の訓練でも受けたのか?それとも独学か?あと依頼に関しては1束で1回依頼達成と数える。多く持って来れば大量のポイントが稼げるぞ。その代り評価でAはつかないからそのつもりでな」
「いえ……魔法はまだ使えないですが……。色々事情ありまして薬草だけは見分けられると考えて下さい」
あまり追及されないように少し困った風に話す。
「そうか……。まぁ見分けられるなら分けておいてくれれば紙に書いてある通り報酬は上がるぞ」
「そうですか。ありがとうございます。では行ってきます」
「あんまり東の方にはいくなよ?あと魔物が来たら逃げること。新しく買ったのかは知らないがそのかばんが大きいからって色々入れすぎるなよ?いざという時に逃げられないからな。まぁ薬草だけならそんなに取れないから大丈夫だと思うが」
「わかりました。無茶はしたら怒られるんで大丈夫です」
ピエールさんは誰に怒られるんだ?と聞いてはいたが特に気にした様子はない。俺は新しく得た情報を整理しながら北門へと向かう。
新しく得た情報というと大事なものに聞こえるが大したことではない。1つはEランクに上がるときに規模はわからないが魔法の訓練をしてもらえるということ。もう1つは今までと違ってこの依頼は1回で何回も達成したことになるということだ。これは冒険者が小出しにするのを防ぐためだろう。俺としては一気にポイントを稼げるのでとてもありがたい話だ。
そして北門につくとそこにいた門番の兵士さんにギルドカードを見せて外に出る。戻るときもこれを見せればいいらしい。
さて、採取開始だ。薬草を探しながら北に向かおう。
……。
……。
……。
3時間位たった後、やっと初の薬草の生得地帯を見つけた。全て採ってしまっていいのだろうかと思いつつ取る。これでやっと1束だ。その1時間位後もう1ヶ所見つけた。4時間かけて2束だ
(これで銀貨1枚かぁ。やっぱり外に出る依頼はそれだけで儲かるなぁ。こりゃみんな少し高い料理でも平気で頼むわけだ。でも見つからなかった時の精神的疲労感はすごそうだなぁ。ん?4時間で銀貨1枚?帰る時間も考えるとそこまで割のいい仕事でもないか。でもこの調子だとEランクは楽しみだな)
そんなこと考えていると美佳が進行方向からずれた方向に進み始めた。
『ミカ?どうした?』
『こっちにも薬草あるってよー。こっちこっち』
誘導してくれるのでついていくと確かにそこには生息地帯あった。
『なんでわかったんだ?いままでこんなに探して見つからなかったのに』
『えっとね。土の精霊さんが教えてくれたんだよ』
『え?そんなこと出来るの?じゃぁエルフの方達ぼろ儲けじゃない?』
『どうだろうね?もしかしたら下級の精霊ちゃんたちとは私と同じくらいには意志疎通できないかもしれないよ?わからないけど、出来るなんらやってそうだし』
『まぁそうだな』
(でも、この街来てから見たことあるエルフってまだ2人だけ……しかも普通と言っていいのかわからない人たちだぞ……)
その後は美佳が見つけてくれた場所を採取するという行動をちょっとずるいなぁと思いながら黙々と行った。
何時間が経っただろうか。夕日がきれいに見え、体クタクタ腹ペコペコ状態になった俺は街へと戻った。門番さんはさすがに違う人だった。門番さんに聞いたところ午後の鐘から2時間ほどたっているらしい。
(9時頃から始めたから9時間位やってたのか。たくさん採れたし本当にミカ様、サマサマだな。これで平均より少なかったらどうしよう……)
ギルドに入り受付に行くとピエールさんがまだいた。
(本当にこの人はいつもいるな。いつが休みなのだろうか?あ、俺以外来る人がいないんだしずっと休みか……)
「お、シン遅かったな。やっぱりあまり見つけられなかったか?北門の方は東に比べると少し少ないからな」
ピエールさんはそんなことを言ってガハハと笑いながら迎えてくれた。




