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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
1章 異世界で生活していく為に
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25 油の魔術師

 習慣とは怖いものである。2週間、毎朝早朝の鐘と同時に起きていた為今日も鐘と同時に起きてしまった。昨日やっとFランクへと昇格したのでギルドの朝の依頼は受けられない。朝2時間早く起きるだけで府大銅貨3枚も貰えて6ポイントももらえる割のいいバイトだったのに残念だ。まぁ、昨日大量の金をなりゆきで稼いでしまったので依頼をがんばって受ける必要もないのだが。しかし、問題はそこではない。問題はご飯もまだ、ギルドの受付もまだ空いていない。つまりやることがないのである。もちろんこういう時にすることは決まっている。筋トレを始める。

(本当はご飯の後の方がいいんだけどなぁ。それにこの時間はいつも走ってたから調子くるいそうだなぁ)

 そんなことを考えながら下半身を重点的に鍛えていく。

 1時間ほどいい汗をかき、朝食を食べるために下に行くとコーシーさんが話かけてきた。


「シン君、おはよう。聞いたよ?この間の唐揚げも、昨日公開された野菜のチップスもお前さんのアイディアなんだって?」

「え?あ、おはようございます。だ、誰から聞いたんですか」

「ん?もう結構噂になってるよ。満腹亭はソースが出た時から注目されてたからねぇ。ここ最近で3品。噂にならないわけがないだろう」

「そ、そうですか……」


(絶対、商業ギルドの人だろう……。守秘義務とかないのかよ)


「もしかしてだけど昨日から満腹亭で豚カツ定職ってのが噂になっているんだがそれもお前さんかい?」

「一応僕が作らせてもらいました」

「わざわざ行かないでうちで作ってくれればよかったのに。次からは私にも教えてよ。無理にとは言わないけどね」

「いいですよ。満腹亭にもこちらにも教えますね」

「ふふ、楽しみにしてるわ。それにしても大豆の次は油かぁ……」

「え?大豆?」

「あら、知らないのね。醤油って大豆からできているのよ?」

「?はい。でもなんで油の前なんですか?」

「あ、そっちの疑問ね。あのね、今回の油を使った手法もかなり話題になっているけど、醤油ができたときはもっとすごかったのよ。何にかけてもおいしいからね。もう100年くらいたつけどすごかったわ。そういう意味で大豆の次なのよ。あのトマトを使ったソースだけじゃきっとそんなに話題にならなかったわ。予想できるからね」


 かなり噂になっていることがコーシーさんとの会話から窺えた。

(ま、顔はばれてないだろうから大丈夫だろうけど)

 そう考え、朝ごはんを食べた終えた俺は依頼を受けに行く準備をする。

 今日からは街の外に出る依頼もあるということで支給されたショルダーバックではなくリュックを背負っていく。

(考えてみればこの街に来てからこれを持って出かけるのは初めてかもしれないな)

 準備を終えた俺は時間を少し潰してギルドへと向かった。

 途中美佳と話をする。


『今日からFランクの依頼も受けられるから街から出れる依頼を受けてみようと思うんだけどどう思う?』

『んー。私は良いと思うよ。危険な依頼なんてまだないと思うし。あったとしてもそれは避けてね?』

『もちろんだよ。戦うなんていつから必要かもしれんないけど覚悟も力もないからね』

『ならいいお。シンの好きなようにして。私はいつも通りついていくから』

『オーケー』


 そして掲示板の広場につきちょっと気持ちドヤ顔でFランク用のところに行く。

(さて本当に何を受けましょうかね)

 依頼を色々とみて前と同じように良さそうな依頼を見つける。


[Fランク/薬草採取(常時)/10枚1束で大銅貨5枚、魔力草なら銀貨2枚/見分けられず混座っていた場合は1枚当たり大銅貨1枚追加、なお、品質によって買い取りに差あり]


[Fランク/城壁外回り確認(1日1度朝限定)/城壁に大きな問題がないか見てください/大銅貨5枚、開始時は門番に申し出ること]


 いい仕事を2つほど見つけたが今日は初日ということで片方だけにする。俺は薬草採取の依頼を持ってギルドへと入っていった。

(城壁は良いランニングになりそうだ。明日からできたらやりたいな)

 ギルドに入りいつもの受付に行く。ピエールさんがこちらに気付いた途端かなり大きな声で声をかけてきた。


「お、今噂の油使いのシンじゃねーか。昨日はよく寝れたか?」


列に並んでた冒険者の多くがこちらを向く気配を感じた。


「ちょ、なんでそんな大きい声で言うんですか。それになんですか油使いって」

「なんだ?かくしてたのか?悪いな。油使いってのはお前の二つ名だよ。すごいぞFランクで二つ名がついた奴なんて今までいないぞ」

「よくないですよ。それに冒険全く関係ないじゃないですか」

「まぁ、細かいことは良いじゃねーか。油使いさんよ。みんな顔も名前も知らないがお前に感謝してるぞ。うまいもんが食えてな。油の魔術師って呼んでるやつもいたしな」


 どうやら昨日1日で話が広がり二つ名までついてしまったようだ。なんか周りの人からかなり見られているような気がしてかなり居心地が悪い。

 俺は無言で依頼の紙をピエールさんへと差出した。

(はぁ。なんでこんなことになってしまったんだろう。料理のせいか……。いや所業ギルドの職員のせいだな絶対。次からはネイピアさんに任せよう)



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