20 食べやすいが出店には向かない
早朝の鐘と同時に起きる。今日から1週間は早朝のギルドの依頼と傷薬作成の依頼だけで生活してみようと決意してギルドに向かう。最初の街の中央のポストまで走る依頼は朝の良い運動になる。配達の仕事は店の場所がわかって良いし、依頼貼りはなんか街の状況がわかったりして少し面白い。今日なんかは庭の草むしりなんて仕事があった。銀貨5枚という破格の報酬だったが場所が貴族エリアだったので絶対に行かないと思う。
これで大銅貨3枚もらえるというお手頃かんをしっかりと再確認して宿に戻る。
「あ、シン君お帰り。お客さんだよ」
受付いたコーシーさんが俺に気付く。コーシーさんの横にはネイピアさんがいた。
「よう、4日ぶりだな。まさかもう起きて出かけているとは思わなかった。ちょっと話があるんだがいいか?」
「今から朝ごはんなんですが一緒にどうですか?」
「もうご飯は食べてきたがわかった付き合おう」
俺は鍵を見せて朝ごはんを貰うネイピアさんはなれた様子で唐揚げを単品で注文していた。
(あの貴族に拾われたとか話してたしこの宿を知ってるみたいだし昔は冒険者だったのかな)
俺は気になってネイピアさんに鑑定を書けた。
ネイピア 人族 44歳
身体能力 A
身体能力適正 A
魔力量 G
適正魔法属性 なし
魔法練度 なし
(うわぁ、絶対そうだよ。道理でムキムキなわけだ)
そんなことを思っていると知る由もないネイピアさんは会話を始める。
「聞いた話じゃ昨日まで寝込んでたみたいじゃないか。もういいのか」
「ええ、ゆっくり休みましたからだいじょうぶです。それにしてもどうしてここに泊まっていることがわかったんですか?」
「実は話したいことがあってな、昨日ギルドに行って聞いたらお前の後見人っていう騎士を教えられてな訓練場まで行って教えてもらった。それにしても唐揚げはおいしいな。酒とか使うともっと柔らかくなるんだがな」
「そういえばレシピ売ったみたいですね」
「ああ、そうだった。そのことをいいに来たんだった。3日も持たず打ってしまってすまないな」
「かまいませんよ。どうせまたあの貴族ですよね。3日で結構稼げましたか?」
「あぁおかげさまんで金貨1枚近く稼げたよ。レシピをギルドに持っていったら5枚で買い取ってくれたしな。白金貨にはまだまだ遠いが……」
「なんかアレンジとかはできそうですか?」
「今はまだ何ともなぁ、いろんな肉で試してはいるが鳥系の肉が一番おいしいからな」
「今度時間ができたら見に行きますね。試食させてください」
「おう、いつでも来い。歓迎するぜ」
その後は他愛のない話をしながらご飯を食べた。
「そろそろ、依頼受けるんで行きますね」
「そうか、俺も仕事に戻らないとな、時間とって悪かった」
「いえ、新作楽しみにしてますね」
「そういえば、お前さんが俺に食わせてくれた丼だっけか?あれ、出店で出すことになったから来て見てくれ、今まではおにぎりや皿に乗った少し食べにくいものしかなかったから話題にもなると思う」
そのまま宿の外に出たところで別れ、俺はギルドに向かった。
今日は昨日より1時間ぐらい早いが人数は同じくらいだ。やはり一番下の依頼のところに少しでも人が来るのは朝1番だけなのだろう。
広場につくと傷薬の依頼を持ってそのままギルドへと入っていく。Eランクになってならぶのが少し嫌
だなぁなどと思いつつ薬屋に向かってお仕事を始める。
もちろん何か特別なことがあるわけもなく昨日と同じように薬草を干す。そして、昼になるとオリバーさんがやってきたのでお昼に行く。
「オリバーさん、行ってみたいところがあるんですが、満腹亭の出店ってどこにあるか知ってますか?」
「ええ、しってますよ。中央の通りにすぐありますよ。すこし並びますけど行きますか?」
「ええ、もしよければ行ってみたいのですが」
「では、いきましょう」
オリバーさんにつれられて出店に行く。並ぶといって10分くらいだった。これなら食堂に行くよりも速く済ませられる。
「このお店が唐揚げを考えたんですよね。シン君もそれを聞いて食べたくなったんですか?」
「それもありますが、僕が食べたいのは丼の方ですね。唐揚げならほかの出店でも、もう売ってるみたいですし」
「丼?唐揚げの串とは違うんですか?あ、順番が来ましたね。本当だメニューに丼ってのがある。唐揚げ丼2つください」
「お米で食べやすくていいですよ。昨日はパンでしたからね」
「へぇこれでスプーンでガッツリ食べれるわけか。でも食器を返しに来なきゃいけないのでここで食べる必要がありますね」
(確かに少し不便だ。パンやおにぎりならゴミが出ないからな。日本のように使い捨ての器があるわけでもないし。あと、大銅貨1枚の割に量が少ない。これなら満腹亭に行って食べた方がいい気がする。話題にはなるかも知れないけど途中からの伸び悩むかもしれないな)
実はその問題はネイピアさんたちも気付いており、次の日から店には出さなかったおかげで、食べたい人が満腹亭に殺到してかなり儲かったのだが、次の日から傷薬屋の近くで昼を済ませていたシンの耳には届くことはなかった。
「いや、唐揚げ丼っていうんだっけ?おいしいね野菜も入ってるし、何よりソースにも合う。そういえばあのソースも満腹亭だっけ?すごいなぁ」
オリバーさんの興奮が冷めないまま戻り、少しの休憩を取って午後の仕事を始めるのだった。
なんか食べ物が多いですが、そっちの路線にはいきません。いきませんよ・・・・




