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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
1章 異世界で生活していく為に
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16 オーバーワーク、金にならず

 記憶を取り戻して5日目、冒険者になって4日目。今日も早朝からギルドに向かいいつもの依頼を受ける。

 今日は初日に行った武器屋と防具屋の後ろに鍛冶屋に配達を頼まれた。ここも大手で材料を持ち込むとオーダーメイドで作ってくれらしい。材料を持ち込んでも普通に買うのと値段にあまり差がないので利用客は多くはないらしいが。

(鍛冶屋か、鉄持っていったら箸作ってもらえるかな。それにしてもこうも毎回大手の店ばかりだと意図的なものがあるのではと疑ってしまうな)


 今日で皿洗いの依頼も終わりだ。そんなことを考える暇もなく時間は過ぎていき夜の鐘がなり、仕事を終えた俺をネイピアさんが仕事を抜けて見送りに来てくれた。

(客多いのに抜けて大丈夫なのだろうか。この時間に帰る俺が言えることでもないけど……)


「シン、4日間マジで助かった。新しい料理も教えてもらったし。感謝しきれねぇ。嫁と娘がカウンターにいるときは半額にするように言っておくからいつでも来てくれ」

「本当ですか?しっかり稼げるようになったら来ますね」

「そうか、まだ新冒険者だったな。しかも子供だし。見た目がガキじゃ無かったら信じられないわ。何か新しい料理でもあったら持って来い。商業ギルドより少し高めに買い取るぞ。Gランク冒険者なんて生活するのも大変って聞くから頑張れよ」


 そんな会話をしてギルドに依頼達成の報告と指名依頼終了という内容が書かれているであろう手紙を渡しに戻った。

 ギルドから宿への帰り道、美佳とこれからのことについて話した。


『なんかこの世界のムキムキの人たちっていい人ばかりだよねー。まだ2人だけど』

『それは俺も思った。まぁ地球がどうだったかは偏見が入ってる可能性あるけどな。近くにそういう人いなかったし』

『そうだねー。それより明日からはどうするの?私としては働きすぎに思えるから一日くらい休んだ方がいいと思ってるんだけど』

『そうだな。でも金がなー。7日でもとに戻せるかも微妙なところだからある程度安定して稼げるようになるまで頑張って見ようと思う』

『うーん。あんまり無理しないでね。体壊したら余計稼げないんだから』

『わかった。心配してくれありがとうな』


 少しの間のあと美佳は心配そうな表情をして聞いてきた。


『シン君はさ、Eランクに昇格したら魔物討伐の依頼受けるの?』

『やっぱり、そういうの憧れるしそっちの方が稼げるんだろうな。でも、俺は物語の主人公になんて成れないからな。安全だと思えるようになるまでは受けないようにするよ』

『うん。分かってるならよかった。それにギルドで長期訓練してくれるみたいだから大丈夫だよね』

『そうそう。それに俺にはこの靴もあるから魔物によっては逃げ切れると思うしな』


 俺がそういうと、美佳はなんか昨日も見たような気がする目で睨むと笑顔で告げてきた。


『そんな状況にならないようにしてね』

『……はい』


(なんかミカ様、精霊になってから怖いです)

 そんなことを思いながら俺は、宿に着くとしっかりと夕飯を食べて寝るのであった。


 次の日から3日間、俺は熱を出してベットの上から出れなかった。美佳がコーシーさんに伝えるとおかゆを持って来てくれた。


『もー、シン君。働きすぎだよ。日本でも労働基準法ってあったでしょ。過労死しないための決まりなんだよ!この町の人たちができてるのはなれてるから!いきなりこんなに働いたら体壊れちゃうに決まってるでしょ』

『はい……。ごめんなさい』

『これからは受ける依頼も考えないとねぇ』

『そうだなぁ。それにしても4日で体調崩すとか。体力相当落ちてるんだなぁ』

『ひと段落して緊張の糸が切れちゃったんじゃない?』

『こんなにすぐ体調崩してたら全然お金貯まらないなぁ』

『Eランクに上がるまでの辛抱だよ。早く治すためにもう寝た方がいいよ』

『まぁ一日ゆっくり休めば治るだろう。お休み』


 結局治るのに丸2日かかり3日目の朝、この宿に泊まり始めて8日なのでやることは決まっている。

 会談を降り宿屋の受付にいるコーシーさんに話かけた。


「おはようございます」

「お、もうよくなったのね。精霊さんから聞いたわよ。あんまり無理しないようにね」

「はい。心配かけました。それでなんですけど、宿が今日までだと思うんで更新したいんですけど」

「覚えてたのね。今回はどうするの?」

「ではまた1週間今度はご飯月でお願いいします。それと寝込んでいた間のご飯代は……」

「そんなこと気にしなくてもいいのに。そうね……じゃあ7日で銀貨4枚と大銅貨9枚だからご飯代も合わせて銀貨5枚でどうかしら?」

「はい。じゃぁ僕は用意して依頼受けに行ってきますね」


 寝込んでいた間のご飯代が大銅貨1枚で済むかどうかはわからないが俺はコーシーさんの言葉に甘えて銀貨を5枚払い部屋に戻ろうとするとした。するとカウンターから離れる前に呼び止められ同じ部屋なのになぜか違う色の飾りがついた鍵を渡された。


 「今日から鍵はこっちを使いなさい。飯のときに見せれば出してくれるから。今日の夜からだよ。それとあんまり無理しないようにね。」


 さて、依頼の前に腹ごしらえ、腹ごしらえの前にしておくこともあるな。


 




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