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無力を知っている転生者の日常  作者: ゴミ屋敷
1章 異世界で生活していく為に
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14 箸がない、穴あきお玉もほしい

 時は6時間ほど遡る。ある程度残りの食器が少なくなりネイピアさんも客が入ってきて料理に戻った時だ。

 俺は美佳と何か作れるものはないかと相談していた。出来ればこっちの世界でまだ食べていないものがいい。


『なぁ、賄い任されたけどなんかいい料理ある?。ほぼ自炊状態だったからある程度はできるけどかなり作れる料理に偏りあるぞ。できても味がいいかはわからないし』

『そうだねー。卵とケチャップソースがあるしオムライスとかどうかなと思うけど、一気にたくさん作れないしね』

『そうだな。ローレンツさんが手伝ってくれるみたいだけどオムライスは大変そうだよな』


 目玉焼きとは違い同時には出来なさそうだなと考え返事をした。


『一度にたくさんできるのがいいよね。シン君、唐揚げなんてどうかな』

『唐揚げか。確かにこっちで揚げ物食べた記憶はないなぁ。でも揚げ物なんてほとんどしたことないからなぁ。ここにある材料で足りる?』

『んー。料理酒いがいは大体あるよ。片栗粉は分からないけど。食パンがあるから小麦粉はあるはず。どうにかして入手できない?手に入ったら作り方は簡単だから教えてあげる』

『聞いてみるよ』


 俺は隣で黙々と食器を洗っているローレンツさんに話しかけた。


「ローレンツさん、ここにあるパンってここで作ってるんですか?」

「ん?パンに興味あるのか?パンはこの店の隣のパン屋から足りなくなると買ってきてるぞ」

「いえ、そうではないのですがパンをつくるときに使う粉が手にはいらないかと思いまして。一皿くらいでいいのですが……」

「いったい何を作るつもりなんだ?まぁいいや、時間になったら許可もらてって貰えるか聞いてくるよ」

「ありがとうございます」

「俺は聞くだけだからな気にするな」

『……もしもらえなかったらどうしようか』

『その時は砂糖も使えるんだし照り焼きに使しようよ。別に珍しいものを作れって言われてるわけじゃないしね』

『そうだな』

 

 そこからは黙々と増えていく食器を洗った。午後の鐘が鳴り使っていい食材の説明をし終わるとローレンツさんはネイピアさんと少し話、裏口から出て行ってしまった。おそらくパン屋に行ってくれたのだろう。


『シン君、今のうちに作りはじめようか』

『そうだな。何からすればいい?』


 油をたくさん使ってもいいかと聞くとネイピアさんが面白そうだから見せてもらおうかいって来たので緊張しながら美佳の指示に従って料理をつくった。

 指示されたことを言うとまず大きめの鍋に油を入れる。大量に使うのを遠慮して3センチくらいまでにしておいた。それでも目を見開いて驚いていたが。鍋は火を入れてとりあえず放置。

 酒はないかと聞くと奥から持ってきてくれた。夜の店では冒険者たちが頼むらしい。ギルドのものより高いがその分いい酒だそうだ。俺は大きなトレーの上に想像している唐揚げの大きさになるように切って少し傷をつけた鶏肉を並べ醤油、おろし生姜を入れて念入りにもんだ。

 放置していると後ろで静かに見ていたネイピアさんが声をかけてきた。


「どうした?まだ何かたりないのか?」

「あ、はい。ローレンツさんが持ってきてくれると思います」

「あぁ、パンの原料の粉か。いったい何に使うんだ」

「それは見ていればわかるのでお楽しみに。もしかしたら貰えないかもしれませんし」

「そうか」 


 そこで会話が終わりそれから5分くらいたつとローレンツさんが小麦粉を持って戻ってきた。


「ただではくれなかったけど、買って来たぜ。このくらいで足りるか?」

「あ、買ってきてくれたんですか。あとでお金は渡しますね。量は十分すぎるほどありますね」

「興味があったから俺が許可した。金は気にするな」


 と、ネイピアさんが言ってくれた。

 まだ3日目なのに信頼してくれているように思える。少しうれしい。

 小麦粉を使う料理に興味があるだけとは考えない。

 俺は小一言俺を言ってから料理に戻った。指示通りに小麦粉をまぶしてさらにもみこむ。味が十分に染み込んだところで厚くなった油の中に投入。沈みきらないので途中で何度かひっくり返した。いい焼き色が付いたらトレーの上に戻し食べやすいようにもう少し細かく切ってからお皿にご飯をよそって真ん中にくぼみを作るそこにレタス、唐揚げの順に入れてケチャップをかければ完成だ。どんぶりになるようなものは人数分なかったのでネイピアさんだけそれに入れた。



「お、完成か?普通に焼いた鶏肉より色が濃いな。色合いからすでにおいしそうだ。……ところで何でおれの分だけボールにはいってるんだ?」

「もともと、早く食べれるように作りたかったのですがその……ボールの数が足りなかったので。丼物って言うんですけど、僕のイメージはそちらに近いので一応ネイピアさんの分だけそうしました」

「そうか。なんか特別扱いされてるみたいで悪いな。まぁとりあえず食べてみようぜ。おい、賄いができたぞ、手の空いた奴から食え」


 とっくに手が空いて珍しそうに見ていた何人かが一気にやってきて食べだした。俺も一つを取っておいしいか食べてみる。

 因みに、なぜ唐揚げをさらに切ったかというと、なんとこの世界には箸がないのだ。唐揚げを揚げた後にスプーンだと食べずらいことに気が付き切ったわけだ。え?どうやって油から唐揚げを取り出したか?調理用の道具ですくいましたよ。

(いつかうどんとか麺類を作るときまでにはマイ箸だけでも作っておきたいな。それにしてもやっぱり唐揚げはおいしいな。ケチャップとも合う。あれ?なんか昨日より肉が臭くない気がする。慣れたのかな?あ、いや空腹のせいか)

 などと、まったく冒険者とはかけ離れたことを考えながらほかの人が食べるのを見守った。さて皆さんの反応はどうかな。

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