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見えない命  作者: みるく
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産まれた命

息子は何事もなく産まれた。この上ない安産だった。よく晴れた秋の朝、息子はたった1時間半で産まれてきた。

産まれたばかりの赤子を、夫は可愛い可愛いと言って、息子が乗せられたかごをゆらゆらと揺らした。彼の父性の目覚ましい目覚めに、私は驚くよりほかになかった。

産後の肥立ちも良かった。30kgも増えた体重が、35kgも減った。これはダイエット成功と言えるだろう。

息子は私にとっては世界一可愛い。よその子も可愛い子はいるが、私にとっては我が子が一番可愛いというと、私の母はうちの孫がどこを見渡しても一番可愛いと言った。私の方が冷静なようである。

身長体重も申し分ない。視力も聴力も申し分ない。


ただ、気になることがある。


たまに親子が集まる場所で絵本を読んでもらったり一緒に体操したり英語を教わったりリトミックを体験したりしたのだが、うちの子だけがじっとしていない。他の子は座ってお話を聞いたり体操したりしているのに、私の息子だけが好き勝手している。


まあいいか、とも思う。幼いのだし、私自身幼少期は床を這いまわる私に餌を与えるようにご飯を与えたと母に聞いたこともある。小学校の頃授業中に歩き回っていた少年に至っては、東大に行ったではないか。


車を一列に並べるのを喜ぶ。どこかで聞いたことがある。


いいのだ。うちの子はてんちゃいなのだ。

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