クスリ兄弟の奮闘3
ナレーション「来る日も来る日も、2人は一生懸命に訴えました。そんなある朝、おや?、お兄ちゃんが、寝ている弟くんの近くをウロウロしてます。何か深刻な顔をしてますよ。どうしたのでしょう?」
兄「オロオロ。オロオロ。伝えるべきか…伝えざるべきか…。」
弟「むにゃむにゃ……伝えるべきか…伝えざるべきか…むにゃむにゃ…スピー。」
兄「ええっ!?寝言と一緒!??…そうかぁ、弟も気付いていたんだな。どうしようかと悩んでたんだな。……良し!!ここは兄である俺から伝えなきゃな!!」
弟「むにゃむにゃ………」
兄「……もしかしたら今日で最後かもしれんからな。起こさないでおくか。フフフ♪良い夢見ろよ!」
弟「スースーー……」
兄「フフフフ♪」
そして、次の日の朝?
兄「んはっ!?寝てしまっていた…弟は?」
弟「ずぴー、ずぴー…」
兄「まだ寝てる!?36時間くらい寝てるし!!おい!!起きろ!起ーきーろ!!!」
弟「にゃ……あー、おはようチャーリー…どうしたの、こんな朝から。」
兄「あ、ああ、おはよう。お前、だって一昨日から寝っぱなしだぞ!ほら!起きて起きて!!」
弟「えーー!」
兄「えー!じゃないの!ほらほら!」
兄(後日談)「えぇ、あの時は僕も出来るだけ、その話題に触れないように必死だったのかもしれません。時間を延ばそう延ばそうと。なかなか起きようとしない弟をまるで母のように…あ、母の顔は分からないんですけどね。産まれた時には、もう母はいませんでしたから。そう…母はすでに…(この後の言葉をグッと飲み込み、視線を下に落とした兄)……す、すみません。なんか思い出したら、こみ上げてきちゃって、ハハハハ!で、何の話でしたっけ、アマゾンの奥地で出会った先住民族の豆知識と裏ワザについてでしたっけ?」
ナレーション「時間は戻り、再びビンの中。」
兄「良し!目覚めたな!」
弟「もう夜だよ、チャーリー。起こすか起こさないかの微妙な加減で色々仕掛けてくるから、逆に疲れたよ………ん?何かあったのかい?チャーリー。そういえば、なんか今日変じゃない?」
兄「ん、あ、ああ。そうだな…さてと……寝るか!」
弟「いや、寝ないよ!今やっと目覚めさせられたんだから!!やっぱりなんかあるんだね!?」
兄「……ふー、弟よ!いや、レッドアイよ!驚かないで聞いて欲しい。お前も勘付いているようだから大丈夫だとは思うが…」
弟「何、何、何だい?」
兄「これまでの二週間、数々のミッションをお前と重ねてきたこと
、兄ちゃんは誇りに思うよ。」
弟「何だい、改まって。なんか照れるよ。」
兄「ハハハ、いや本当にありがとう!!お前が弟で嬉しいよ、俺は!」
弟「も、もう何だよ?え?そんなこと言う為に起こしたの?」
兄「そんなこととは何だ!大事なことだぞ!こういうのは!!……それでだ…まー、そのー…」
弟「……」
兄「何かおかしいとは思わないか?」
弟「?。」
兄「二週間前までは、あんなに定期的に仲間達が外の世界に連れ出してもらってたのに、パタリと止まってしまったではないか。まだ何百と仲間がいた時なんかは、もう戦争のようだっただろ。最近は、2人だけでピョンピョン跳ねたりしてるだけで、若干恥ずかしい気持ちさえ出てきてたよ。」
弟「うん。でもまだ大丈夫だよ。きっと!うん!」
兄「…いや、俺は昨日の夜……あ、違う!1日寝ちゃってたから一昨日か。その夜に、見ちまったんだ!気付いちまったんだ!!」
弟「…ゴクリ…」
兄「あそこのビンの後ろにある鏡で見てみろ。俺たちを……」
弟「え?鏡かい?あー、まぁ僕達2人が写ってるだけだよ。」
兄「違う!俺たちの姿じゃなくて、その奥のラベルだ…」
弟「うん。文字が書いてあるね。あー、鏡に写すと読めるね。普段は中から見てると逆だから読む気にもならなかったけど。」
兄「音読するんだ…」
弟「お、音読かい?……えーと、○△□製薬。筋肉の緊張をやわらげ、肩こり、腰痛、頭痛などの症状をよくします。アルコールなど…」
兄「そこはいい!!1番下を音読するんだ…」
弟「1番下?えー、なになに、内服、1日1回……3…錠……?」
兄「くっ!!くそっ!!くそったれが!」
弟「……え?…ということは…」
兄「出られないんだよ!俺たちは!!どうすることも出来ないんだ!!」
弟「そんな…まさか……」
兄「ハハハ……笑えよ。滑稽だろ。あんなにピョンピョン跳ねてアピールしてたっていうのに、無駄なことをお前にやらせていた。バカな兄だよ!俺は!」
弟「……」
兄「さあ、もう分かったろ。俺がバカな兄だって。もう俺は腹を割って中身ブチまけて死ぬつもりだ……お前はどうす…」
弟「バカァァ!!」
バキッ!ドゴッ!メキョ!!
兄「あ痛ーーーーー!ヒィィ!ちょっ、殴り過ぎ!殴り過ぎ!出ちゃうから中身!!俺の意思と関係なく出ちゃうから!ちょっとマジで!!!」
弟「ハァハァ……バカァ!!あんなに2人で頑張ってきたじゃないか!それなのに、それなのに……」
兄「……」
弟「…僕もチャーリー、いや、兄さんを誇りに思っているよ。だから、そんな弱気な兄さんは嫌だよ…」
兄「…レッドアイ…………そうだな!そうだ!弱気になんかなっちゃ駄目だな!良し!出るぞ!ここから!!」
弟「兄さん!!」
兄「なんか急にヤル気になれたぞ!よーーし、気合い入れて脱出するぞぉ!オー!!」
ナレーション「その時、弟の目の前から兄の姿が消えた!必死に探す弟!!何処だ!?何処にいるんだ!兄!!」
弟「え!?何処だい?兄さん!兄さん!!」
兄「……おーい!」
弟「兄さん!何処だい?声が乱反射してて色んな方向から声が聴こえるよ!身体が割れそうだよ!!」
兄「上だ!上!!」
弟「上!??」
ナレーション「弟が見上げると、そこにはビンの外に出ている兄の姿が!」
弟「兄さん!」
兄「おーい、お前もちょっと気合い入れて飛んでみろ!」
弟「え?飛ぶの?」
兄「1、2の3で飛ぶ感じでな!」
弟「よ、よーーし!1、2のハイ!!!!」
ナレーション「ピューーン!!なんとビックリ!弟もビンの外に出られたではありませんか!!そう、二週間もの間ピョンピョンしてるうちに兄弟は驚くべきジャンプ力を身につけていたのでした!」
兄「レッドアイ!」
弟「兄さん!」
兄「よく頑張った!よく来てくれた!!」
弟「凄い!凄いよ!兄さん!!」
兄「ああ、これで俺たちは自由だ!!仲間達とは違い、自分の力で外に出たんだ!」
弟「ハハハ!!やったぁぁ!!」
ナレーション「もう彼ら兄弟を縛るものは何もない。誰にも止めることは出来ない!!そして、別れの時。」
兄「お前はこれからどうするんだ。俺はこのジャンプ力でこの更にデカイところから出るつもりだが。」
弟「うん。僕もそのつもりだよ。」
兄「ここからは、それぞれ別々に進むことになるな!忘れるなよ、どんなに離れていても、俺たちは兄弟だ!!な!!」
弟「当たり前じゃないか!兄さんこそ身体に気を付けてね!」
兄「一生のお別れか?これが?」
弟「うーん、それは嫌だなぁ。あ、じゃあ3年後に会おう!一生逢えないんじゃ辛いから!」
兄「そうだな!3年後にまた、この場所で逢おう!!」
弟「うん!3年後に!!」
ナレーション「こうして無事に脱出出来た兄弟2人。彼らは3年後に約束を果たせるのでしょうか。というか何処へ旅に出たのでしょうか。それはまた別のお話。……おや?2人が旅に出たのを見計らうかのように、もう1人が出て来ましたよ。」
頭に傷のあるカプセル「ったく!遅えっつーの!!さて、俺のライバルになるのはどっちかな?楽しみだぜ!!」
ナレーション「あらあら、まさかの3人目が登場しましたよ。彼はこうなることを予測してたのでしょうか?彼の狙いは何なんでしょうか?今度こそ、別のお話に続く。」




