仲間
彼の先輩で池田さんという人が居た。
初めて会った飲み会の時も、池田さんと一緒。
いつも2人はつるんでいて、
週末のハーレーの旅も、2人で楽しそうに出かけていた。
楽しそうにバイクの話や、行った先々の話をしている2人を
みるのが、とても好きだった。
池田さんはとても穏やかな人で、私にも優しく接してくれた。
日曜日は必ず、彼は池田さんと2人で出掛けてしまう。
私は、どこへも行けずにひたすら、彼からのメールを待つ。
夕方、近くまで帰って来た所で、
「今、〇〇だから、後何分位で着くけど、一緒に夜ご飯どう?」
という連絡。
そして、そのまま、池田さんを含めて3人で食事。
そんな日曜日が当たり前になっていった。
今でこそ、高速道路はバイクは二人乗り解禁。
でも当時は、二人乗りは出来なかったから、
自分も連れて行ってなんて言えない。
その上、2人で好きなように、バイクで走ってるの時間が
好きなんだなって感じてたから、その時間を邪魔したくなかった。
ちょっとした連休があると、2人はテントや寝袋を持って、
長距離で出掛ける。
その間、置いてけぼりにされているような寂しい気持ち。
今頃、どこかな・・・?
なんていつもいつも考えて。
(今、〇〇県で美味しいうどんを食べてるよー)とか、
(池田さんと一生懸命、お土産選んだから楽しみにしてて!)
っていうメールの文字を、何度も何度も繰り返し見ては、
バイクにまたがる彼に思いを馳せてた。