表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れたくないもの  作者: ハヤシ
2/3

なんで、結婚してた事があるんじゃないか?って

思ったんだろう。

何となく、そんな感じがして、思わず電話で聞いてた。


「うん・・・・」


って言われた時は、自分で聞いておきながら驚いた。


彼は1年前に離婚したばかりだった。

ものすごく好きだった元奥さんは、とても育ちの良い人だったらしい。

何かで一度、憤慨して手当たり次第にモノを投げた彼に、恐怖を覚えて実家へ

帰ってしまったらしい。

そして、その時にお腹の中に居た、2人の大切な宝物も勝手に

堕胎してしまったそうだ。

泣きながら何度も、産んでくれってお願いしたけど、ダメだったって。


正直、あり得ない事だと思った。

彼の一方的な話だったから、事実は分からないけど、

元奥さんは、子供のような人だったんだな・・って。


その時、まだ離婚の事、子供の事、引きずってるって言ってたな・・

それを振り切る為に、大型バイクの免許をとって、ハーレーを

買ったんだって。

だから、私が会った時は、毎週末には必ずバイクに乗って、

あちこち旅してる人だった。


女をとっかえひっかえして、孕ませて、平気で中絶させる男だって

多いのに、その出来事を真正面から受け止めて、

一つの命を無くしてしまった事に、今でも苦しんでる彼はとても純粋なんだな・・

って思った。

命の重さを考えれば、当然は当然なんだけど。

恋をしていた私には、その彼の傷を抱きしめてあげたかった。

でも、私には入れない部分で。

何をしてあげられる事もできなくて、

ただ、ただ、彼の話を聞いて、泣いてるだけだった。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ