表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界に堕とされましたが戻ってきました。復讐は必須です。  作者: nanoky


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/313

11 隊商は大峡谷へ至る(1)

 西荒 大牙国への旅の話に戻ります。あちこち飛び回ってすみません。それと、もう一つ、玄武の国で、ヨーダム太師の弟子のニエザが、時々間違ってニエバ表記になっていて訂正しました。すみません。(辞書登録を他の事で使っていて、この話ではほとんど使ってないので、よく間違えてます。読みにくくて申し訳ないです)

 頭が激しく揺さぶられ、はっと目覚めた。騎獣が、岩場を通り、体が傾いていた。

「リーユエン、気がついたか?」

 耳元で魔獣の声がした。振り返ると、見たことのない青年が手綱を握り、自分の腰を腕でしっかり支えていた。

「誰?」

 見慣れない青年に思わず(すい)()した。すると、青年は眉尻を下げ

「ええっ、俺の事分からないのか?自分が呼び出しておいて、あんまりだよ〜」と、悲しげに言った。

 リーユエンは、右側の目を眇め、もう一度青年を見上げた。青年は、彼の顔を覗き込んできた。その両眼が、紅く光った。

「・・・・アスラなのか?」

「正解、やっと分かったのか」

 召喚した記憶はあったが、どうして、いつまでも人型でいるのか、訳が分からなかった。

「その格好では、生気がいくらあっても足りないだろう」と、尋ねると、アスラは、

「いや、転身する時は必要だけど、この状態でいるのに、生気はほとんど使わないよ。ねえ、俺って格好いいだろう」

 そう言うと、アスラは、リーユエンに顔を近づけ、フードの脇から耳元へ

「亀じじいより、俺の方が絶対いいって」と、囁いた。それを聞いた瞬間、リーユエンの全身が硬直して、騎獣から落ちかけた。

「うわっ、危ない、気をつけろ」と、アスラが怪力で支えた。けれど、リーユエンは体の自由が効かなくなっていた。

「バカ、移動中に呼びかける真似をするとは・・・」

 玄武紋が動き出す気配に、リーユエンは、うめき声を押し殺した。

「どうしたんだよ・・・具合が悪いのか?」

 (ダメだ・・・意識が引きづられる)

 リーユエンの体は脱力し、意識が危うくなった。

 カリウラが異変に気がつき、騎獣で駆け寄ってきた。

「どうした?」

「リーユエンが変なんだ。亀じじいの事を言ったら急に・・・」

 カリウラの形相が超凶悪に変化した。

「馬鹿野郎っ、猊下を気安く呼ぶとは、おまえは大馬鹿者だ。そんな事は、リーユエンが寝ている時にやれ」と、小声で叱りつけた。

「リーユエン」

 カリウラは、彼の肩をつかんで揺すった。リーユエンは、顔をあげ、カリウラへ

「意識が、向こうへ行ってしまう」と囁いた。カリウラは舌打ちし、アスラへ、

「俺について来い」と、叫んだ。

 彼らの様子を、ヨークは少し離れた場所から見守っていた。隊商は、もう直ぐ大牙の森林地帯へ入る前の最後の難所、大峡谷へ到る崖沿いの道に差し掛かっていた。

カリウラは、アスラが共乗りする騎獣を、オマが管理する、調理器具を乗せた荷車の方へ連れていった。

「オマっ、すまんが、リーユエンの具合が悪い、荷車に乗せてやってくれ」と、カリウラは、オマへ大声で話しかけた。カリウラの形相を見るなり、オマは、幌つきの荷車の垂れ幕を上げ、中のものを寄せて、空いた場所を作った。

「早く、寝かせておやり」

 カリウラは騎獣から飛び降りると、リーユエンをアスラからひったくるように肩へ担ぎ上げ、荷台へ乗せた。

 幌の中から、アスラを見たオマは、目をむいて指差すと

「おまえ、誰なんだい、いつの間に紛れこんだんだ」と叫んだ。

「もうっ、オマ、俺だよ、いつも大喰らいって呼んでるじゃないか」

 オマは、顔を引き攣らせた。

「まさか、おまえ、魔獣なのかい?」

「へへっ、俺、リーユエンに名前をつけてもらったんだ。アスラだよ。よろしくな」

 オマは、床に伸びているリーユエンを見下ろし、ため息をフウーッと勢いよくついた。

「まったく、魔獣を人型にするのに生力を使い果たすなんて、馬鹿なことを・・・」

「違うよ、リーユエンが気絶したのは、か・:*+.\(( °ω° ))/.:+ フガフガ」

 カリウラがアスラの口を塞いだ。

「アスラ、本当にもうそれ以上言うな、リーユエンが無事で済まなくなるぞ」

「・・・分かったよ。チェッ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ