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異界に堕とされましたが戻ってきました。復讐は必須です。  作者: nanoky


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46 魔道具騒動(2)

 リーユエンは、沈黙したままだった。サンロージアに考える時間を与えたのだ。しかし、サンロージアは真面目な顔つきで、

「分からないわ。私は、自分の力なんて、全然使っていないと思っていたもの」と、小声で答えた。すると、リーユエンは彼女の耳元で、

「のぞき鏡を使って、髪の毛の先が焼けてしまったことがあったでしょう?」と、ささやいた。サンロージアは、肩をビクッと跳ね上げ

「いやだっ、どうして知っているの?シュリナから聞いたの?」と、叫んだ。

 リーユエンは首をふり、

「訊かなくても分かります。あの時、ヨーダム太師が、のぞき鏡の術を破ったので、あなたは術返しにあった。あなたが何の力も使っていないのなら、術返しに襲われなかったはずだ。襲われたということは、あなたは力を使い、術者となっていたということだ」と、説明した。サンロージアは、目を見開き、リーユエンを見上げ、

「私、力を使ったから術返しに襲われて、髪の毛が焼けてしまったの?私を懲らしめようと、別に術をかけられたのではなかったの?」と、慌てて尋ねた。

 リーユエンは、サンロージアを真剣な顔で見つめ、

「いいえ、あれは術返しです。ただ、ヨーダム大師は、あなたの体を傷つけないように、髪だけ燃えるように術返しの方向を変化させました」と、話した。

「そんな・・・私、魔導士でもないのに、術返しに襲われたのね」

王后は、ふたりのやり取りを聞き、サンロージアが非常に危険な行動に出たことに気がつき、

「ロージー、あなた、いつの間に、魔道具をそのように安易に使うようになったのだ」と、思わず咎めた。サンロージアは、王后へ、

「だってお母様、ただの道具だし、便利だから、使ってしまえと思って・・・」と、途中からうなだれ、言葉を途切らせた。

 王后は、リーユエンを見上げ、

「どうか、この愚かな子に、なぜ危険なのか教えてやってほしい」と、頼んだ。

 リーユエンは、「王女殿下、あなたは金杖の王族である黄金獅子でいらっしゃる。あなたの生命力は、並外れてお強い、その力をもってすれば、魔力などなくとも、魔道具を起動させることは可能なのです。しかし、それは命を削る行為に等しいのです。安易に魔道具を使い続ければ、あなただっていずれは年をとってしまわれるのだから、お身体に影響がでてきます。例えば、早く老け込んでしまうとか・・・」と、言い、「私が今回、命が助かったのも、国王陛下と王太子殿下の並外れて強い陽気をいただけたからです。あなた方一族の生命力は、それほど強大なものなのです。けれど、それを無自覚に使い続けるのは、あまりに危険すぎます。あなたが、魔道具を手放したくないとお思いなら、私は無理に処分はいたしません。けれど、あなたに魔道具を与えた方を放置するわけにもまいりませんので、この件は、ヨーダム大師を通して、魔導士協会へ通報し、調査してもらいます。魔導士協会の調査機関は、必ずあなたに魔道具を与えたものを突き止めるでしょう。凡人に魔道具を与えることは、処罰の対象です。査問会が開かれれば、おそらくその者は、厳しい罰則に問われます。最悪、魔力を取り上げられ、魔導士の資格は剥奪されることでしょう」と、話した。

 サンロージアは涙目になって、

「ダメよ、そんな事はしないで、私が約束を破ったのがいけないのだから、彼を処罰するのはやめて・・・」と、訴えた。

 リーユエンは、サンロージアの肩に手を添え、椅子へかけさせた。そして、自分も腰掛けると、「魔道具を提供した者と、どんな約束をしたのですか?」と、問うた。

サンロージアは、ぽろぽろ涙を流し、

「誰にも言わないって約束したから」と、話すことを拒否した。けれどリーユエンは、「もう、約束を破ってしまわれたのだから、話してしまったらどうです?あなたが、内容を言おうと言うまいと、魔導士協会は、それが誰なのか、必ず突き止めます。彼らができないのなら、私が突き止めます」と言い切った。

 サンロージアは、とうとう降参し、白状した。

「分かったわ・・・言うわよ。彼からは『何か困ったことがあった時だけ、この道具を使ってください。決して安易に使ってはいけませんよ。魔道具とは、とても便利なもので、できないことを可能にしてくれる夢の道具です。ただ、あなたが安易に使ってそれを他人が知ってしまうと、皆が使いたがりますからね。どれほど便利に感じても、決して安易に使わないでください』と言われ、安易に使わないと約束したわ、そして、『この事は秘密にしてください。他人が知ると皆魔道具を欲しがるようになって、殺到されたら困りますから』と、言われたの。だから、秘密にしてきたのよ」

 リーユエンは、話を聞くうちに目を細め、難しい表情になった。そして、王女殿下の話が終わると、王后へ「いかが思われますか?」と、問うた。王后も同じように難しい顔つきで、「この道具は、一旦私がすべて預かろう。陛下へご相談申し上げる」と返答した。

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