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第七話「疾風、そして火花」

ついに登場、空を支配する“雷獣”。

空中戦という新たな脅威に挑む陽一郎たち――それぞれの“進化”が試されます。


火炎、雷撃、瞬間加速。

三者三様の特性が交錯する中、友情(?)の即席グレネードが炸裂!


この世界は、進化を止める者から脱落していく。

《火力バカ》《理論派》《加速屋》が揃ったとき、空さえも燃やせるのか。

「こいつ……飛んでやがる!」


陽一郎の叫びと同時に、空から雷鳴がとどろいた。


巨大な鳥型の進化種が、黒雲を引き裂いて舞い降りる。


その羽ばたきだけで突風が吹き荒れ、瓦礫が空中に舞った。


金属のように硬質な羽根、青白く輝く雷光の翼。


その姿はまるで、荒廃した神話から抜け出した“雷獣”のようだった。


「電気系か……まずいな。火炎放射器が効くかどうか……!」


拳次が舌打ちするも、腰の火炎放射器に手は伸びている。


「効くか効かないかじゃねえ! 燃やすのみッ!」


「火力バカすぎる!」陽一郎が即座にツッコむ。


「バカと火力は使いようだ!」拳次が快活に叫び、炎を放った。


轟、と燃え上がる火柱が空を裂く。だが──


「無駄よ! 空気がイオン化してる!」


ゴローの声と同時に、鳥型進化種が翼を広げ、空中で宙返りを打つようにひねった。


その体を包む雷光が、炎を拡散させる。


「ちっ、イナズマまとってんじゃん!」


「遠距離型ってわけね!」はるかが地面を蹴り、瓦礫の影に飛び込む。


敵は上空から急降下──!


「くるぞ、陽一郎ッ!」


陽一郎は、思考よりも先に動いた。足元の地面を蹴ると同時に、脳裏に異能“瞬間加速”のスイッチが入る。


《視界の端がぶれる。時間が歪む。》


刹那、陽一郎の姿が残像と化し、敵の突進をギリギリで回避!


「セーフッ!」


「ナイス回避! でも次はないぞ!」ゴローの警告が響く。


「なら、次で決める!」


陽一郎が叫ぶ。拳次が拳を振り上げ、はるかが飛び出し、三者三様の“進化”が火花を散らす。


「くらえええええええええええッ!!!」


拳次が放った火炎が、雷鳥の片翼を焦がす。


続けて、はるかが鉄骨を槍のように振り下ろし、陽一郎は一瞬の加速で敵の背後をとった。


「今だ!」


陽一郎が即席グレネードのピンを引く。


「友情爆弾、発射あああああ!」


「それ名前やめろォ!」


爆風が空を裂いた。雷鳥が叫び、羽ばたいて後退。空に舞い上がり、黒雲の中へと姿を消した。


「……逃げたか?」


陽一郎が荒い息を吐く。体中が熱い。血が、鼓動が、何かに覚醒を促していた。


「本番はこれからだな。震源地は、まだ先だ」


拳次の声に、全員が頷く。


「行こう。俺たちの“進化”は、まだ始まったばかりだ」


黒雲の向こう。逆さピラミッドのようなオベリスクが、不気味な稲光を受けて輝いていた──。

ご覧いただきありがとうございます!

今回は“空中型進化種”との初交戦。スピード感あるバトル、楽しんでいただけましたでしょうか?


拳次の火力ゴリ押し、陽一郎の加速、そして即席グレネード(笑)。

仲間たちの特性が、ただのスキルや装備ではなく、「進化」として噛み合い始めた回でした。


オベリスクの謎も、いよいよ本格的に動き出します。

次回、さらなる進化と試練にご期待ください!


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