表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

第五話「進化者たちのアジト」

崩壊したショッピングモール地下に存在する避難拠点A-07。案内された陽一郎たちを待っていたのは、濃すぎる進化者たちと……まさかの焼肉パーティー!? でもその裏では、“異常進化”という脅威が迫っていた。

「ついたぞ、ここが“避難拠点A-07”だ」


ゴローが先導し、陽一郎とはるかが後に続く。


三人(と一匹?)がたどり着いたのは、崩れかけたショッピングモールの地下駐車場。


その奥には鉄の扉があり、何やら厳重なロックが施されていた。


「え、ここって……人、いるの?」


「まあな。ムー出現以降、政府や軍の代わりに地域を守ってるのは“自警団”や“適合者ネットワーク”だ。ここもその一つ」


ゴローがドアの端末に鼻を押し当てた。


「生体認証:柴犬型進化体──確認。開錠します」


「え、鼻で認証!?」


ガコンと音を立てて扉が開く。


中には、数人の男女がいた。


武器を手にした者、PCを操作する者、食料を配る者……皆、どこか普通の人間とは違う空気をまとっている。


「おーい、ゴロー帰ったぞー!」


ひときわ大きな声が響いた。


姿を見せたのは、金髪モヒカンにサングラス、上半身裸でマッチョな男。


両腕には意味深な紋様が浮かんでおり、明らかに“進化済み”だ。


「よう、ケンジ。相変わらず暑苦しいな」


「紹介しよう。俺の名は火山拳次(ひやまけんじ)! 趣味は火炎放射! 特技は爆破! 信条は……」


「黙れ。三秒以内に燃えるぞ」


「ハハッ、さすがゴロー! 俺のマブダチ!」


陽一郎が小声でつぶやく。


「なんかヤバいの来たぞ……」


はるかは目を輝かせていた。


「わ〜! 火力特化型! めっちゃテンション上がる〜! 爆破って最高だよね☆」


「だろぉ!? よし、お前ら気に入った! 歓迎会するぞ! テーマは“火と鉄と友情と焼肉!”」


「やったー! 焼肉ーっ!」


「ちょ、ちょっと待て! 話が飛躍しすぎ──」


しかし、すでにテンションは最高潮。避難所の面々もどこか飢えていたのか、次々にコンロや食材を持ち寄ってきた。


「焼肉は正義だ……!」


「なんでお前が一番感動してんだよ、ゴロー……」


煙と匂いが立ちこめるなか、陽一郎はふと、避難所の壁に貼られた巨大な地図を見つける。


そこには無数の赤いピンと、円で囲まれたエリア。そして――


「これは……“進化震源地”?」


「そうだ」と、いつの間にか隣にいたケンジが言った。


「ムーの影響が最も強く現れた場所……そこでは、オベリスクが“異常進化”を引き起こしてる」


「異常進化……?」


「俺たちが進化して力を得たように、アイツらも進化した。だが理性も倫理も捨てて、ただの怪物になっちまった」


陽一郎はゴローとはるかを見た。


「……だったら、やっぱり行かなきゃな。俺の家族がいるかもしれないし、真実を知るためにも」


ケンジがニカッと笑う。


「いい目だ。その覚悟、気に入ったぜ。よし、俺も同行する!」


「は!?」


「よっしゃ〜! 新メンバー加入〜! 異能戦隊・焼肉団、出動なのだ〜!」


「勝手に戦隊組むな!!」

濃い! キャラが濃い! 火山拳次、ようやく本編登場です。テンション高めですが、彼もまた“ムー”と戦う覚悟を背負う進化者の一人。次回はいよいよ“進化震源地”に迫ります。お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ