カオリに会う
ジュンは、放課後を待った。木造校舎から出て来るカオリをみつけた。ワゴンRが「ジュン行ってこい」と言っているように見えた。ジュンは、駆け寄った。
「俺、未来から来たジュン。未練がSエネチャージのように加速するんだ」
ジュンがカオリに駆け寄り、その言葉を口にした瞬間、カオリは驚いた表情を浮かべた。彼女は一瞬、ジュンの言葉が冗談だと思ったが、彼の真剣な目を見て、何かが違うと感じた。
「未来から来たって…どういうこと?」
カオリは戸惑いながらも聞いてみた。
ジュンは深呼吸をして、言葉を選びながら説明を始めた。
「信じられないかもしれないけど、俺は未来からタイムスリップしてきたんだ。俺たち、未来では一緒にいたんだ。でも、何かが原因で別れてしまった。それがどうしても忘れられなくて、過去に戻ってきたんだ。」
カオリはしばらく沈黙した後、静かに言った。「それが本当なら、どうして別れたの?」
ジュンは目を伏せ、一瞬ためらったが、正直に答え始めた。
「未来では俺が忙しさにかまけて、君のことを大切にしなかった。気づいた時にはもう遅くて…それで、もう一度やり直したいと思ったんだ。」
カオリの目には涙が浮かび、
「そんなことがあったんだ…」
とつぶやいた。
「でも、今ここにいるのは未来のジュンじゃなくて、今のジュンなんだよね?」
ジュンは頷き、
「そうだ、今の俺は未来のことを知っているけど、君ともう一度一緒に過ごしたいという気持ちは変わらない。」
カオリは深く息を吸い込み、微笑みながら言った。「じゃあ、もう一度やり直してみようか。未来のことは未来の私たちに任せて、今は今の私たちで。」
ジュンが、
「そうだ明日カオリの誕生日だよね。よかったら明日デートしよ。ダメ?」
カオリは
「誕生日覚えててくれたの?明日デート行こう」
ジュンはその言葉に感謝し、二人は再び手をつないで歩き始めた。ワゴンRは静かに見守っているようだった。