表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロの輝き─無魔力追放からの反逆  作者: ジュン・ガリアーノ
第6章 魔力クリスタルの深淵
90/251

cys:90 ノーティスの諭し方

「ジーク!」


 そう言って叫んだノーティスを、ハッとして見たジーク。


「ノーティス……」


 そして、なぜ腕を急に掴まれたのかを分からず唖然とする中、ノーティスはジークの腕をググッを掴み、レイの方へと近づけていく。


「お、おい、お前さん何を……!」


 ジークがそう焦りを零す中、ジークの手はノーティスに誘導されレイの肩にポンと乗せられた。

 そのまま思わずレイの肩を握ったジーク。


「ん? ん? んんん????」


 ジークは一瞬何がなんだか分からず声を漏らしたが、ハッと気付くとすぐに手を離した。


「レ、レイ! 違うんだ、これはノーティスが勝手に」

「うるさいわね、分かってるわよ!」


 レイはそう言ってイヤな顔をすると、ノーティスに尋ねる。


「ノーティス、なんで貴方こんな事を……」

「すまないレイ。ジークに分かって欲しいからだ」

「えっ?」


 レイが不思議そうな顔をした時、ノーティスはジークに精悍な眼差しを向けた。


「ジーク、今のレイの顔を見たか」

「うっ……あぁ、見たぜ。メチャ嫌がってたな」 


 もちろん、レイはジークの事がイヤとかではないのだが、急にああいう事をされたので気味が悪かったのだ。


「だろう。でもジーク、もし俺らが負けたらレイは今の100倍以上イヤな想いをする事になる」

「ぐっ……! ちげぇねぇ」

「だよな、レイ。いやごめん。尋くのも野暮だった。忘れてくれ」


 ノーティスはそう言うと、ジークにさらに諭すように話を続けていく。


「ジーク、キミがレイを好きな気持ちは知ってるし、それ自体は何も悪くない。でもジーク、キミがここですべき事はカッコつける事なのか? それともレイを取られないように、ベストの事をやる事か? どっちなんだ」


 そう言われたジークは、思い出した。

 ノーティスと初めて戦ったあの日、ノーティスが怒りに支配され、本来の目的を忘れて暴走した時の事を。

 無論、レイもだ。

 

「……ノーティス、すまなかった。まあ、少し違うが、まるであの時のお前さんのような事をしちまったな」

「ジーク、覚えててくれたのか」

「たりめーだ。なぁレイ?」

「フフッ♪ 忘れる訳ないでしょ」


 レイも懐かしそうな顔をして、微笑んだ。

 それに嬉しかった。

 あの時自分が叱咤して気付いた事を、ノーティスがちゃんと活かしてくれたから。

 しかも、自分以外の人の為に。


「ノーティス、貴方やっぱり素敵よ♪」

「レイ、キミのお陰だ。キミにあの日気付かせてもらった事は、俺の中にずっと生きている」


 ノーティスはレイにそう告げると、再びジークを見つめた。


「ジーク、俺はここで目立とうとかは一切思わない。ただ勝つ為だけにベストを尽くす。レイをアイツらに指一本触れさせたくないからな」

「おおっ、たりめーだ。すまなかったな……ノーティス、それにレイ」

「別に分かればいいのさ。だよなレイ」

「ええ、別にいいわ。この人私の事になるとおバカになるのは昔からだし♪」


 レイは呆れた顔をして軽く微笑んだ。

 そしてビーチに刺さったボールを手に取り、片手に乗せて凛とした瞳を二人に向けた。


「さあノーティス、ジーク、ここから反撃よ♪」

「あぁ、もうここからは1点も取らせない」

「やってやらぁ!」


 ジークが意気込んだ声を上げると、ウェリデが大きな声で告げてくる。


「おーーーい、まだかよ。今度はそっちからのルールだぜ」

「すまねぇ、今からやるわ」 

「ったく、サッサとしてくれよ。早くお姉さんとホテル行かなきゃいけねーんだからさ♪」


 ウェリデはそう言って挑発してきたが、ジークはフッと溜め息をつきニヤッと笑うと、凛とした眼差しを向けた。


「ケッ、細ガキが。お前さんに……」


 ジークがそこまで言った時、ノーティスがサッとウェリデに告げる。


「キミにレイは早すぎる」


 するとジークはマジかという顔をして叫ぶ。


「あーーーっ、ノーティスお前さん、俺が言おうと思ったセリフを!」

「すまん、そうだったのか」


 そう零したノーティスに、ジークはニカッと笑みを向けた。


「……ケッ、まあいいさ。ちゃんと仕事して、女王様を守れりゃよ♪」

「フッ、ジーク。やっとらしくなったな」

「たりめーよ。ノーティス、アイツらに必ず勝つぞ」

「ああ、当然だ」


 頼もしそうな笑みを浮かべたノーティスとジーク。

 レイはそんな2人を見て微笑むと、ボールをサッと大きく放り上げた。


「いくわよ……!」


 腕に魔力を込めて思いっきりサーブを打つと、そのボールは凄まじい早さでウェリテ達のコートにザッ! と、突き刺さった。

 それを目の当たりにして、ビックリし目を大きく開いたウェリデ達。

 

「おっ、おいマジかよ!」

「なかなか早いな……」

「油断した。でも、ちゃんと見れば取れなくはない……!」


 彼らがそう零す中、ノーティス達はパチンッとハイタッチして喜んでいる。


「ナイス! さすがレイだな」

「やるじゃねぇか女王様♪」

「フフッ♪ 当たり前でしょ。いい女は反撃の隙を与えないの」


 レイがそう言ってフフン♪ と、した態度を取った時、ウェリデが怒りと共にサーブを打ってくる。


「調子に乗んなよ! いくぜっ!」


 その瞬間ノーティスはジークにサッと告げる。


「ジーク、レシーブはキミ任せた!」

「りょーかい!」


 ジークはサーブを捉え軽く上に上げようとしたが、つい30メートル程の高さに打ち上げてしまった。


 それを見て嗤うウェリデ達。


「ハハハハハッ! オッサン、上げすぎだ」

「あーーー何やってんだか」

「全く、分かってないよねー」


 すると、ノーティスはジークにちょっと厳しい眼差しを向けた。


「ジーク、上げすぎだ! 配信で勉強したんじゃなかったのか」

「すまねぇ! 実はニュースでチラッと見ただけだ」

「ジーク……それは、バレーを配信で見たとは言えないだろ」

「ちげぇねぇ。しかも、軽く飲みながらだ!」

「ジーク、物事は最初から出来るだけ正確に伝えてくれ!」


 ノーティスは軽く笑いそうになるのを堪えると、勢いよく飛び上がった。

ここから反撃開始……!



次話は、ほのぼのざまぁ炸裂です。

ブックマーク、評価いただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ