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ゼロの輝き─無魔力追放からの反逆  作者: ジュン・ガリアーノ
第3章 白輝の勇者エデン・ノーティス
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cys:44 ノーティスの戦い方

 ドオンッ! ドオンッ! ドオンッ!


 ノーティスは、フェクターの猛攻をサッと素早く躱しながら間合いを図っていた。

 けれど、その度に街が破壊され轟音と共に砂塵が舞い上がる。


───さてどうするか……早く決めないと被害が広がってしまうな……


 正直今のノーティスにとって、フェクターを倒す事は難しい事ではないし、動きを一旦封じて魔力クリスタルを破壊する事も出来る。


───ただそれだと……


 一計を案じたノーティスは、フェクターの猛攻を躱しながらロバートの側にタンッと寄った。

 そして、フェクターを見据えたままロバートに告げる。


「すまないロバート。あのフェクターに、一斉射撃を頼む」

「一斉射撃ぃ?」


 何を言ってんだという顔を向けてきたロバート。

 けれど、ノーティスは表情を変えない。


「あぁ。その間に俺の力を全開にさせて、彼の魔力クリスタルを破壊する」

「いや、でもノーティス。アイツには剣も矢も通らねぇぞ!」


 訝しむ顔をしたロバートに、ノーティスはサッと振り向き澄んだ瞳を向けた。


「一瞬でいいんだ。頼む! ロバート」


 すると、ムダだとは思いつつも、なぜかそうせざる負えない気になってしまうロバート。

 ノーティスの澄んだ瞳には、逆らおうという気が起きないのだ。


「わかったよ……それでいいなら、やってやる」

「ありがとうロバート。恩に着るよ」


 ロバートに向かい軽く微笑んだノーティス。

 そして、ノーティスにそう礼を言われたロバートは、部下達に大声で号令をかける。


「お前ら構えろ! 今から一斉射撃だ!」

「はいっ!」


 ロバートの号令と共に衛生兵達から放たれた無数の矢が、フェクターにババッ! と、降りかかる。

 無論ロバートの言った通り、フェクターには全く通じなかったが、動きが一瞬止まった。


 それを見たノーティスは、ロバート達に大きな声で、


「ありがとう!」


 と、礼を告げると鞘から剣をサッと抜き、その剣を両手で胸の前にスッと立てて構えた。


「光のクリスタルの名の下に、輝け! 俺のクリスタルよ!!」


 その詠唱により、魔力クリスタルから溢れ出ていく白輝の煌めき。

 それをノーティスが全身に纏うと、ロバート達はその煌めく姿に目が釘付けになった。


「おおっ……! なんて鮮やかで強い光なんだ!」

「神々しい……!」

「俺らと同じ魔力クリスタルだとは思えないな……!」


 ノーティスは皆からそんな風に見つめられる中、一瞬で必殺剣の構えを取ると、フェクターを凛とした瞳で見上げる。


「すまない。悪いけど、少しの間ジッとしててもらうよ。『ライトニング・コルビス』!!」


 ノーティスの剣先からピカッ! と、輝く光の玉が放たれた。

 それはフェクターの頭上で大きく弾けると、そこから現れた光の檻が、フェクターをガシャン! と、閉じ込めた。


「グガァァァァッ!!」


 恐ろしい咆哮を上げ光の檻を壊そうとするフェクターを、ノーティスは澄んだ瞳でジッと見据える。


「ごめんな。師匠ならこんな事しなくても、一発でキミの魔力クリスタルを破壊できるんだけど……」


 ノーティスはそう呟くと、剣を突きの形に構えグッと腰を落とし、フェクターのクリスタルに狙いを定めた。


───師匠……あの時アナタが俺を救ってくれたように、俺も彼とあの子を救ってみせます!


 心でアルカナートに誓いを立てたノーティスの瞳が、キラリと光る。


「フェクター! キミがすべき事は破壊や殺戮じゃない。この子を抱きしめる事だ! 悪夢から目覚めろ! 『エッジ・スラッシュ』!!」


 その叫びと共に、ノーティスは凄まじい速度でフェクターに突きを繰り出し、フェクターの魔力クリスタルに剣先をビシッ!! と、突き立てた。


 その直後フェクターの魔力クリスタルに、ピキピキピキ……! と、いう乾いた音と共に亀裂が走る。

 そして次の瞬間、パリーン! と、いう音を立て粉々に砕け散った。


「グワァァァァッ!!」


 フェクターの断末魔が周囲に響き渡ると共に、暴走のエネルギーが消えてゆく。


 それと同時にフェクターと化していた男の体はみるみる内に小さくなり元の姿に戻ってき、男はその場に倒れていった。


「あっ、あぁぁぁぁっ……」


 ノーティスはそれを見るやいなや、剣を素早く鞘へ納め、その男の身体をガシッと掴み抱きかかえると、そのままメイの所へ運びそっと横たわらせた。


「メイ、もう大丈夫だ」


 ノーティスがそう告げ優しく微笑むと、メイは涙を零しながら父親の身体を激しく揺さぶる。


「お父さん! お父さんっ!」


 すると父親はゆっくり目を開き、まるで悪夢から覚めたように瞳から涙を溢れさせながら、メイの頬へゆっくり片手を伸ばした。


「あ……あぁっ……すまなかったな、メイ」

「お父さんっ! 私だよ! 分かる?!」

「分かるよ……メイが無事で、よかった」

「お父さーーーんっ!」


 メイは安堵の涙を流しながら、父親に覆い被さるようにギュッと抱きしめている。


 その姿を優しく見つめたノーティスは、ロバートにスッと顔を振り向けた。

 その瞳に静かな怒りを宿して。


「ロバート、聞かせてほしい。なぜメイが、ここまで涙を流さなければいけなかったのかを……!」

真の悪はフェクターではなく、そう仕向けたバルガス……!

次話はノーティスがバルガスにざまぁを下します。

ブクマまだの方は、是非しておいて下さい\(^o^ )

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