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ゼロの輝き─無魔力追放からの反逆  作者: ジュン・ガリアーノ
第2章 波乱のギルド検定試験
30/251

cys:30 消えたルミ

「なぁルミ、そろそろいいだろ」


 ノーティスが手を引かれたまま勘弁してくれという顔でボヤくと、ルミはしぶしぶ手を離した。


「もうっ! ノーティス様がレイ様にデレデレしてるのがいけないんですからね」

「いやいや、全然デレデレしてないじゃん」


 ノーティスが訴えるような顔を向けると、ルミは胸の前で腕を組み、ちょっと火照らせた顔をプイッとさせた。


「いーえ、してました」


 そう言って聞かないルミ。

 頬とはいえノーティスが他の女にキスされたのが、ルミは本当にイヤだったのだ。

 前にアンリからもあったが、レイのはそれと違うのを感じたから特にだ。


───もうありえん。本当にありえん。あーーっ、でもノーティス様に、こんな態度取っちゃう自分もイヤだ……


 ノーティスは、そんなルミに参ったなという顔を浮かべ、目を閉じながら片手で頭をクシャクシャッと掻いた。


「あーーーっ、じゃあもう、どう言やいいんだよ。ったく……」


 そうボヤいた瞬間、ルミの足元から薄いピンク色の光が地面からサァァァッ! と、立ち昇る。


───えっ、何これ??


 ルミはそれを考える間もなく光に包まれた。


 そしてノーティスが目を開けると、なんと、今側にいたハズのルミは消えていた。


「えっ? あっ? ルミ? どこ?」


 ノーティスは慌てて周りをキョロキョロ見渡したが、ルミの姿はどこにも見当たらない。

 まるで、神隠しにでも会ったかのように。


「消えた……いやいや、えっ? そんなバカな……!!」


 ノーティスは何がなんだか分からなかったが、突如消えてしまったルミを探しに走り始めた。


◆◆◆


「あれっ?」


 ルミは突然目の前の景色が変わったので、目を丸くして周りを見渡すと、ここは恐らくどこかの部屋である事が分かった。

 大きな本棚にはたくさんの魔導書らしき物が並べられ、妖し気な機械や水晶が目に映る。


 もちろん、ルミもなんでいきなりここへ来てしまったのか、本当にさっぱり分からず、頭の処理が追いつかない。


「えっと……ちょっと待って。落ち着いて。私は、今の今までノーティス様と一緒にいたハズ……で?」


 ルミが目をパチクリさせながら、そう零した瞬間だった。


「よく来たニャ♪」

「きゃあっ!」


 突然後ろから声をかけられたルミは、身体をビクッ! と、させ声の方を振り向いた。

 するとそこには、エキゾチックな風貌の美女が、ルミをニヤニヤしながら楽しそうに見つめる姿が。


「あっ、アナタは王宮魔導士のアンリ様!」

「おーーーよくぞ覚えててくれたのルミ。流石だニャ♪感心感心」


 ご機嫌な顔のアンリに、ルミは確かめる様な顔を向ける。


「あの……もしかして、ここに召喚させたのはアンリ様ですか?」

「そうニャ♪」


 全く悪びれる事なくニパッとした笑顔で答えたアンリに、ルミは身を少し乗り出した。


「もうっ、アンリ様。急に召喚なさらないで下さい!ビックリしたじゃないですか。私、頭パンクしそうになっちゃいました!」

「ニャハハッ♪ ごめんニャ。ただお主が仕えるノーティスに、どーーしても興味があっての♪」


 それを聞いたルミは、またかという顔をする。

 いつもなら別方向に思考がいくのだが、あんな事があった後だと、どうしても邪推してしまう。


───レイ様に次いでアンリ様まで。もーーーーっ!


「やっぱりアンリ様も、ノーティス様をお好きなのですか?」

「ん? なんの話ニャ?」


 ルミの問いかけにキョトンと首をかしげたアンリ。


「あっ、違うんですか。私はまたてっきり……」


 ルミは顔を少し赤くし、ごめんなさいの表情で軽くうつむき、チラッとアンリを見上げた。

 それを見て大体の事を察したアンリは、片手を軽く口に添えてニンマリする。


「別に、そなたが心配するような事は無いニャ♪」

「す、すいませんアンリ様」

「気にするでない♪ 私はノーティスの光に興味があっての♪」

「ノーティス様の光に?」


 ちょっと不思議そうに見つめてきたルミに、アンリは好奇心に満ちた笑顔を浮べた。


「そうニャ♪ あの光は今まで私が知る限り、剣聖アルカナート以外に発現させた者はおらん。それをあの若者が宿してるのは、私にとって非常ーーーに興味深いのニャ♪」


 溢れ出す好奇心を隠そうともせず、ウィンクをしたアンリ。

 ある意味で王宮魔導士とは思えない程、純粋な好奇心に瞳をキラキラ輝かせている。

 レイとは全く違う意味での、ノーティスへの興味。


 ルミはそれに少しホッとしながらも、一つ疑問が浮かんだ。


「そうなんですね。ただアンリ様、それならなぜノーティス様ではなく私を?」


 するとアンリはニッと笑い、ルミに理由を話し始めた。


◆◆◆


「おーい、ルミ! どこに行ったんだー!」


 ルミがアンリと話している頃、ノーティスはギルド会場中を声を出しながら練り歩いていた。

 けれど当然、ルミの姿はどこにも見当たらない。


「ルミーーーー! どこだーーーー?」

「あれ、ノーティス。もしかして、お姉ちゃん探してるの?」


 その声にハッと振り向くと、そこには、ノーティスをキョトンとした顔で見つめてくるエレナの姿が。


「エレナ!」


 ノーティスがちょっと驚いた顔をすると、エレナは嬉しそうに満面の笑みを浮べた。


「ノーティス、聞いたよーーー♪ レイ様からの特別試験、合格したんだね♪ おめでとう!さすがだよ」


 エレナとはちょっと軽く一悶着(ひともんちゃく)あったけど、根が素直で明るい子だから、こういう笑顔を向けられるとやっぱり嬉しい。


「ありがとうエレナ」


 ノーティスはそう言って微笑んだ。

 が、ルミの件があるのですぐに血相を変えた。


「けど、今それどころじゃないんだ。ルミが急にいなくなってしまって」

「そうみたいだね……ホントに急に?」

「ああ、もうホントに急というか一瞬目を閉じてた隙に……エレナどっか心当たり無いかな?」


 するとエレナは顎に軽く左手を添えて、斜め下に視線を落す。


「うーん……もし本当に急にいなくなったんなら、お姉ちゃんどこかに召喚させられたのかも」

「召喚っ?!」

突然の召喚は一体何の為に……

次話はノーティスが違和感を感じながらも、果敢に立ち向かいます。

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