30話
死の虹の採取。
死の虹はシシの森の最奥にある七色の木から採取できる木の枝である。
この七色の色の木を守る精霊は木霊といい、神聖魔法か暗黒魔法でしか倒せないモンスター。
でもボクはノーデスの称号で敵はノンアクティブだから関係ない。
ボクは七色の木の周りに落ちている枝を拾い集めた。
「枝を伐採しようとすれば、いくらノーデスの称号を持っていても木霊に殺される。木霊を倒した後なら伐採作業を出来るのかもしれないが、今はこの枝で我慢するしかないな」
死の虹、70%の高品質。
「高品質だからオッケーだ。マイハウスに戻って武器作りを始めるか」
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マイハウスに戻り、早速作業を開始する。
「死の虹の加工は必要ないから、黒曜石の鉱石を鋳造して成形加工作業でデスオブシディアンソードと虹黒曜の杖を作る」
「一点集中スキル・オン」
「鋳造作業・開始」
ボクは炉の温度計と時計を見ながら、魔力を流し込んでゆっくりと温度を上げていく。
すると温度計と時計に輝く点が見える。
温度計は185度、時計は40分。
温度計は525度、時計は68分。
温度計は965度、時計は110分。
次は・・・
温度計は1315度、時計は70分。
「黒曜石は難しい温度管理や時間管理はないから簡単だな」
・・・
「よし、温度も時間もバッチリだ」
「鋳造作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は100%の神品質で出来た。
「次は成形作業だ。まずデスオブシディアンソードからだ」
「一点集中スキル・オン」
「成形作業・開始」
死の虹を軸にして黒曜石のインゴットを溶かした金属を型に流し込む。
「よし、完成だ」
「成形作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
デスオブシディアンソード、90%の最高品質。
「死の虹の品質が高品質だから、さすがに神品質は無理だったか。次は虹黒曜の杖だ」
「一点集中スキル・オン」
「成形作業・開始」
溶けた黒曜石を玉の形に成形して、死の虹の枝の先端に固定する。
「よし、完成だ」
「成形作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
品質は・・・
虹黒曜の杖、90%の最高品質。
「こちらも品質は最高品質だな。これで手土産の準備は出来た」
ボクは大手クランと交渉する事になる。いくらボクが生産マスターの称号を持っていて先行者利益があるといっても、大手クランならすぐに生産マスターの称号を授かる人がいてもおかしくない。
「こういった交渉には飴と鞭が必要だ。飴の手土産は出来たから、次は鞭の準備だ」
最高品質のポーションをマーケットに低価格で流して大手クランが独占している高品質のポーションの価格破壊を行う。それがボクの考える鞭。
もちろんこの案は交渉が失敗した場合に使う最期の手段。
ポーションは錬金鍋にミスリル鉱石と薬草を入れる事で出来上がる。
最高品質のポーションは錬金鍋に最高品質のミスリル鉱石と最高品質の薬草だけでは作れない。
最高品質のポーションを作るにはこの他にリンゴを入れる必要がある。このリンゴポーションが最高品質のポーション。
疲労回復効果があるクエン酸。そのクエン酸と同じ効果があるのがリンゴに含まれるリンゴ酸。
クエン酸は生化学反応によって疲労回復物質を生成する。その生化学反応を効率よくやるためには水素と酸素が必要。
錬金鍋にミスリル鉱石を入れて出来る魔力水は水素水のようなモノ。
クエン酸と同じ効果があるリンゴ酸と水素水的なモノを合わせて疲労回復出来るリンゴ酸入りの水素水がリンゴポーション。
「今のボクはリンゴはマーケットで買うしかない。リンゴも『アテナの骨』の製作に必要なアイテムだから早く庭付きのマイハウスを購入したいな」
マーケットで70%の高品質のリンゴを購入。
「よし、最高品質のポーション、リンゴポーションの製作だ」
「一点集中スキル・オン」
「錬金作業・開始」
コンロに鍋をセットして、魔力水を入れて火にかける。
そして煮立ったら薬草とリンゴを投入。
しばらくすると綺麗な赤色になってくるから、そこで火を止めてリンゴポーションの完成。
「錬金作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」
リンゴポーション、95%の最高品質。
「よし、これで交渉の準備はオッケーだ」




