21話
青海月水晶の時計作り。
青海月水晶は海底5000~6000メートルから採掘出来るアイテム。
青海月水晶は青い光を放つ水晶で中にセシウムが入っている水晶。
セシウム入りの水晶は超正確な時計を刻む。
これが神の鍛冶場に必要なのだが、採掘出来る場所が海底だというのが問題。
ここまで深い海底に潜るためには超高水圧に耐える事が出来る潜水スーツが必要。
潜水スーツを作るために必要な素材、クロロ豚のウンコから採取できるクロロ豚銅。
クロロ豚銅は焼入れをすると硬化して超高水圧に耐える事が出来るスーツを作れる。
このクロロ豚が超極悪モンスター。
シシの森ダンジョンに生息するモンスターでオオカミダンジョンにいるウルフ達とは仲が悪い。
クロロ豚が超極悪モンスターと言われるのは呪いを付与してくる事。
この呪いを受けるとノロくなる。
つまりこのゲームにおいて重要なシステムでもあるスローモーションシステムがリセットされるのだ。
デスペナがないゲームだから、スローモーションシステムがリセットされてもまた死ねばいいだけなのだが、何度も何度も死ぬのも手間がかかるのだ。
そしてクロロ豚は倒してもあまり旨味のないモンスターとしても知られている。
だからシシの森ダンジョンには人がいない。
「目立ちたくないボクにとっては最高の環境だ。それにノーデスの称号の効果で敵はノンアクティブで襲ってこない。ゆっくりとクロロ豚銅を採取出来る」
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シシの森ダンジョンに着いた。
「ついさっき最高の環境だと言ったけど、撤回させてもらう」
なぜなら・・・
クロロ豚のウンコがとても臭いからだ。
クロロ豚銅を最高品質で採取する方法。
それはウンコに素手で手を突っ込んで採取する。道具を使ってはいけないのだ。
「神の鍛冶場に必要なんだ。神の鍛冶場に必要なんだ。神の鍛冶場に必要なんだ」
自分に何度も何度も言い聞かせながら、クロロ豚銅を採取していく。
潜水スーツは全身スーツだからクロロ豚銅は30個必要。
「神の鍛冶場に必要なんだ。神の鍛冶場に必要なんだ。神の鍛冶場に必要なんだ」
自分に何度も何度も言い聞かせながら心を無にして採取を続ける。
「これで最後の一個だ」
クロロ豚のウンコに素手で手を突っ込んでアイテムを採取する。
その瞬間、ウンコが輝き出した。
「こ、これは・・・」
クロロ豚のウンコ、100%の神品質。女神の加護+10付き。装備可能。ただし装備すれば臭くなります。
「女神の加護がついたウンコだと!!!」
女神の加護の名前は知っていたが、女神の加護はどんな効果があるんだ。
「女神の加護は目がよく見えるようになります・・・だからめがみの加護・・・」
女神の加護がついたアイテムを装備すればスローモーションシステムの効果がある。
+10は死んだ回数と同じ効果と捉えていいだろう。
このゲームではモンスターにレベルというものがない。
モンスターにレベルはないけど、倒すにはこのくらいの目安というものがある。
例えばサーベルウルフを倒すには30回分死んだスローモーションシステムが必要だったりする。
プレイヤー達はこれを死にレベルと呼んでいるのだ。
サーベルウルフを倒すには死にレベル30必要。みたいな感じで攻略サイトには書いてある。
「女神の加護がついてるのは置いておくとして、こんなアイテム何のために存在しているんだ。っていうか採取できたのがクロロ豚銅じゃないからあと1回ウンコに手を突っ込まないといけないじゃん」
ボクはもう1回ウンコに手を突っ込んで最後の1個のクロロ豚銅を採取した。




