13話
現実世界に戻ってきたボクはホテルのロビーにあるパソコンの前に来ていた。
「現地の下見を出来なかったから、ネットで仕入れる事が出来る情報だけはきちんと入れておかないといけないな」
・・・
「だいたいの道順と採取ポイントはわかった。そして道は2種類ある。最短ルートは強いモンスターが多くて、戦っていれば時間がかかるルート。定期メンテナンス明けで使うルートはモンスターはあまりいないが、採取ポイントまで着くのに時間がかかるルート」
定期メンテナンス明けじゃない場合は常に誰かが最短ルートでモンスターと戦っていて、モンスターが少なくなっているから普段は最短ルートを通っている。
だけど定期メンテナンス明けはモンスターで溢れているから、大手のクランの人でも定期メンテナンス明けで最短ルートを通る人はいない。
「これならボクは最短ルートで行けるな」
これでミスリル鉱石のゲットは確実だろう。
それなら次の行動を考えて、ネットで調べておくか。
「次に調べるのは・・・プラチリル鉱石」
プラチリル。それは白金色の鋼とも呼ばれるまことの金。
金が採取出来る鉱山の最奥でしか採取出来ない希少な鉱石でミスリルよりも希少な鉱石。
希少な鉱石というか、誰も手にした事がない鉱石である。
その理由は・・・
プラチリル鉱石を採取するにはミスリルのハンマーとミスリルのポンチが必要だからだ。
これは神の鍛冶場と神の錬金鍋にプラチリル鉱石が必要だからわかった情報。
プラチリルは神の鍛冶場の温度計に使う用途と神の錬金鍋の鍋に使う用途。
高熱用の温度計にはプラチナが使われているが、このゲームではそれ以上の熱を扱うのでプラチリルを使う。
錬金鍋にプラチリルを使うのはプラチリルは浄化作用にも優れているから。
プラチリルで作った鍋にミスリルを入れて出来上がる魔力水は神品質の魔力水。
ミスリルはハンマーとポンチに1個ずつ使い、錬金鍋に入れるように1個の3個あれば足りる。
だからミスリルは未加工品の3個でいいし、最短ルートで行けば採取も問題ない。
問題はプラチリルの採取だ。
プラチリルは誰も採取出来ていないため、一見すると採取ポイントには誰もいないようにも思うが、逆に常に誰かがいてどうやったら採取出来るのか試行錯誤を続けているのだ。
「そこで普通に採取出来たら、目立つだろう。これは時間をかけて試行錯誤をしてる風に見せる必要があるな」
・・・こういうのがめんどくさいんだよな。
「今はまだ目立つわけにはいかないから、仕方ない事だと割り切ってやるしかないな」
そろそろメンテナンスが終わる時間だ。
待機しておくとするか。




