11話
銀狼の剣、100%の神品質の武器を作ってしまった。
[神の作り手の称号を授かりました]
あっ、システムメッセージだ。しかもなんか結構な感じの称号っぽい。
早速、称号の効果を確認してみるか。
「!!!」
「神の作り手の称号。神品質の装備を作りし者に与えられる称号」
取得条件はやっぱり神品質作ったからだよね。
効果は・・・
「神品質の作り方のレシピを見れる。このレシピで作った装備品には女神の加護が付く」
女神の加護?今までこのゲームでその単語は一度も聞いた事がない。
なんかいろいろヤバい感じしかしないな。
これってもしかして今のところ、ボクだけの独占かな。
とりあえずレシピを一度見てみるか。
・・・
気になったのはこの2つ。
『神の鍛冶場』のレシピ
『神の錬金鍋』のレシピ
マイハウスを購入したら、鍛冶場と錬金鍋は必需品になるだろう。
購入すると2つで50万もする。しかもこれは普通品質のやつだろう。
神品質を自分で作ったら、無駄金を使う必要もないから一石二鳥だな。
問題はどうやって素材を集めをするかだな。
鍛冶場と錬金鍋、どちらも共通して必要な物がある。
それはミスリル鉱石。
ミスリル鉱石が採れる場所に行くまでが厄介である。
なぜなら、ミスリルは需要がありすぎて常に採取ポイントに誰かが張り付いて待機している状態だからだ。
しかも辺りには強いモンスターしかいないから、自分みたいな装備だと場違い感がすごくなるだろう。
「マーケットで未加工のミスリルを買うにしても高すぎるんだよな」
マーケットに流れているのは、ほとんどが最低品質か低品質のミスリル鉱石。
ミスリル鉱石は切削加工前の状態だとすごく重く、荷物をほとんど持っていない状態でも3つまでしか持てない。
切削加工をすれば30個程度は持てるようになるため、ミスリル鉱石はその場で加工してしまう。
だから未加工のミスリル鉱石はほとんどマーケットには流れてこない。
「この状況下でミスリル鉱石を採取出来るとすれば、定期メンテナンス明けしかないな」
定期メンテナンス明けは全員ホーム設定をしている街からスタートする事になる。
「自分ならノーデスの称号の効果で、敵はノンアクティブだから、敵と戦って時間を取られる事はない」
問題があるとすれば・・・次の定期メンテナンスが明日だという事。
さすがに下見もしないで最短距離でミスリル鉱石の採取ポイントまで行けるとは思えない。
「自分のような場違いな装備でも、たまに観光目的でうろついているヤツはいるから今日の下見は大丈夫でも、メンテナンス明けで採取作業までしていたらさすがに変だと思われる」
鍛冶作業で疲れているから、正直動きたくないのが本音だがそうも言っていられないな。
とにかく急いで行動開始だ。




