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虚無の聖典  作者: 枝豆た
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第五節~第六節

その漆黒は現れた、聖女セラフィアの最後の願いを聞き、これは抗う神々の物語

第五節  浸蝕


 とある夕暮れ時のこと、東の国に漆黒の大きな星が現れた、それは終焉を告げる一つの星、じりじりと世界の全てを飲み込んでいった。


 それは万物を飲み込む漆黒、人類の作り上げた数々の建造物はもちろんのこと、文化、生物、空気、元素、概念すらもじっくりと飲み込んでいった、それが飲み込んだものがどこに行くのかは誰にもわからない、ただわかるのは、おそらく死と似て非なる、もしくはそれより恐ろしい何かが待っているということだ。

 それに近づいてはならない、それに近づくとたちまち思考が飲み込まれ、頭が空っぽになってしまう、そうなった者の末路は、自らその身を漆黒に投げるのだ、そのためみな漆黒から離れた、漆黒から離れ西へと逃げる、一部を除き、、、黒の教え、この異様な事態と戦争による苦痛、この二つが重なったため新たにできた宗教だ、彼らはこの星を一つの救済と考え、その漆黒を受け入れた、この過酷な状況下を生きるのに人はもろすぎた、人種のほとんどがこの黒の教えにより滅んだ、世界にはいまほとんど神種しか存在しない。

 漆黒を受け入れたのは彼らだけではなかった、東の神兵たちもまたそれを受け入れたのだ、理屈はわからないが彼らはその漆黒が現れるや否や、戦いをやめ、その漆黒に向かい進軍しだしたのだ、隊列を作り指揮をとりながら東の神兵たちはその漆黒へと消えていった、まるでそこが帰るべき場所だといわんばかりに。


      きずけばその星は東を飲み込み、西を飲み込み始めた、、、


第六節  抵抗


 世界は依然飲み込まれつつある、人種のほとんどは滅んだ、残された神種はその英知を結集し、


           その漆黒に抵抗することにした。


 神々は抵抗する、その漆黒へ、まず神々はその漆黒の性質を知ろうとした、その漆黒に意思はなく、ひたすらに膨張し飲み込む、敵意に該当するものはないようだ、つぎに漆黒に近づけば近づくほど記憶があいまいになりどんどんと頭の中が吸われていくような感覚に陥るが離れれば元に戻るということが分かった、すなわち脳内のストックが膨大であればあるほど長時間その漆黒に近づくことができるということだ、しかし最大の問題がその漆黒に触れるとその触れたところの存在が消えてしまうことだ、そこが足であること、腕であることなどの概念当を完全に失うのだ、これをどうにかしない限りはその漆黒に触れることもかなわない、これが短い期間で手に入れることのできた漆黒の性質だ。


 神々は漆黒打倒への準備を始めた、まずは神材だ、そこで神々は彼を頼った、西の国地下牢獄最深部に収容された神、煩悩の神だ、彼はその果てしなく膨大な煩悩から世界を滅ぼしかけた神だ、彼のその膨大な煩悩を使い漆黒付近での行動を可能にした、だがこのままではまだ漆黒内を進むことはできない、やはりどうやってもその厄介な性質を打ち消すことができなかった神は最終手段を取った、神々の神器、創生の冠を煩悩の神に預けた、その冠の力を使い常に自分自身の存在を創造するのだ、これで漆黒の中で存在し続けることができる。

 

         準備は整った、世界を救うための旅が始まった。

漆黒は克服した、あとはその漆黒の真実を知り、対処するだけだ、知識は世界を救う力である、

神々は抗う、最後まで、、、

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