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虚無の聖典  作者: 枝豆た
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第一節~第二節

第一節  世界の形


 それは神と人との境ができる前の話、世界は混沌と化していた。

草木は枯れ果て海は血で染まり、動物はとおの昔に絶滅した、風は血なまぐさく鉄っけを帯びており、鎧や武装をダメにした、そこら中には死骸でできた山々が点在しており、日々あらゆるものの悲鳴が絶えず笑顔など存在しない、、、常に狂気と殺意に満ちていた。


 世界は二つの勢力に分かれて大きな戦争をしていた、西の神と東の神による大戦だ、西の神が片手に持つ聖剣を一振りすればたちまち神兵たちはその力を増し、みるみる内に東の軍勢を抑え込んだ、どちらが勝つかは一目瞭然、戦争もすぐ終わると誰もが思っていた。

 しかしその時は訪れなかった、、、ある日を境に東の神の攻撃が激しくなったのだ、いくら東の軍勢を退けようと次の日もまた次の日も東の軍勢は攻めてきた、流石に西の軍勢も度重なる戦闘に心身をすり減らし、いずれは陥落されていった、東の軍勢が過ぎ去った後は口に出すのも酷く忌々しいほどに悲惨なものだった。


 そして世界は混沌とかした、東の神はその後もどんどんと西を侵食していき、西の七割を占拠した、東の神にとられた土地では殺戮や強奪など、欲望の限りが尽くされまさしく地獄であった、このままではすべては東の神の手中となり真の地獄が始まる、世界が終わるのも時間の問題だと全ての者達が思っていた。

        

   そんな中、東のはるか遠く、最果ての地に漆黒の星が現れたのだ。


第二節  終焉


その漆黒の星は日に日に大きくなっていきじりじりとじっくり東の大地を飲み込んでいった、そして幾日かたちその漆黒は東の地を飲み込んだ、全ての者がその漆黒を恐怖し恐れた、人々がいくら願おうと神々がいくらその力をふるおうとそれはただただその漆黒を広げすべてを飲み込むだけであった、全ての者が絶望し錯乱する中それはこの世の全てを飲み込んでしまった。

 漆黒の星がすべてを飲み込んだのち、その星は大きな眼を開き、そのめでたき覚醒とともにどこともない完全なる無、ボイド、へと消えてゆき再び眠りについた、その内に秘めた苦痛を消化するために。


  そこは完全なる無、何もなく色もない、私たちには想像もつかない無、

  しかし私たちは知っている、そこはかつて二つの勢力に分かれ栄えた

  場所であると。

これは世界の始まりに過ぎない、全ては壊れる、そのたびに新しく作られてきたのだ、しかしなぜ漆黒の星は現れたのだろうか、、、

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