表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

腰痛になった老女が2軒の開業医に電話したら対応が正反対だった件

作者: hekisei

「先生、どう思います? 私、腰が痛いから長洞ながほら先生に電話したのに、『クリニックに来い』って」


そうこぼしたのは、1年に1回、脳神経外科外来を受診する高齢女性。

最近、腰が痛くなって長洞クリニックに電話で相談したら、すぐに受診するよう指示されたとか。


腰が痛くて動けないのに「すぐに来い」と言われたとかで憤慨ふんがいしている。


まあ、言っていることは分からなくもない。

オレもギックリ腰になったときには動けなかった。

トイレに行くのも大変だったし、その後にくのも苦労した。


こうやってオレの外来に顔を見せているのだから、なんだかんだ言っても治ったのには違いない。

そもそも脳の話をするために来たんじゃないのか?


「それでね、高橋内科に電話したのよ」


長洞先生も高橋先生も近所なのでよく知っている。

長洞先生が若くてエネルギーあふれているのに対し、高橋先生はかなり年配で温厚だ。


「そしたらね、高橋先生は自転車に乗って薬と湿布しっぷを持ってきてね」

「へえ、そうなんですか」

「それで郵便ポストに入れておいてくれたんよ」


そういう方法もあるのか、オレは感心した。

診察室で長話を聞かされるより、ある意味、効率的だ。


「すごいですねえ、高橋先生は」

「そうでしょ、すごく親切な先生なの」


そろそろ脳の話をさせてくれないかな。


「じゃあね、こんど医師会で長洞先生に会う予定があるからね」

「ええ」

「アドバイスしておきましょうか」

「お願いできる?」

「先生も自転車買った方がいいですよ、って」

「そっちかい!」

「お大事に」


-完-

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ