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第15話 リベンジ……を返り討ち

「……シャルロットを壊したのが、妹なの?」

『はい……あ、ですが、今思えばマリーはそこまで積極的ではなかった気もしますが』


 シャルロットとマリーっていう人の関係が、僕とジェームズとの関係に重なる。

 いや、別に僕はジェームズから攻撃された訳ではないけど、弟から敵視されているのは同じなんだよね。


「……とりあえず、そのマリーっていう人からは逃げた方が良いのかな?」

『そうですね。マリーは私と違い、検索機能などが高性能ではありません。ある程度の大雑把な位置までしか分からないはずなので、逃げるのはそこまで難しくはないかと』


 良かった。

 シャルロットみたいに、簡単に何でも見つける事が出来る相手だったら大変だけど、そうでないなら何とかなるかな。


『ですが、気を付けてくださいね。マリーは検索機能の代わりに、中距離からの強力な攻撃魔法を放ちます。あと、マリーの外見ですが……』


 シャルロットがマリーさんの外見を説明してくれたんだけど、ジェームズと一緒に居た女の子とめちゃくちゃ一致した。

 どういう経緯かは分からないけど、僕もジェームズに会いたくはないし、シャルロットにマリーさんの居場所を聞いて、逃げる事にしよう。


『カーティスさん。今、その先の通りにマリーが居ます』


 その先……って、僕たちが泊まっている宿がある場所じゃないか。


「クリス。宿に戻る前に、もう一箇所だけゴミ捨て場に行っても良いかな?」

「えぇー。クリス、お兄ちゃんが買ってくれた服に着替えたいなー」

「えっと、せっかくクリスが新しい服を着るのに、最初に行くのがゴミ捨て場なんて残念でしょ? だから、先にゴミ捨て場へ行ってから着替えてもらった方が良いかなーって思って」

「なるほど。お兄ちゃんが選んでくれた、あの服を着る訳だもんね。確かに違う場所へ行きたいかも」


 なんとかクリスを誘導出来たので、進行方向を大きく変え、シャルロットに案内してもらいながら、街の南にあるゴミ捨て場へ。


「≪ゴミ保管≫」


 まだ詳細は確認していないけど、キラキラ光るゴミを含め、沢山収納する事が出来た。

 シャルロットによると、ジェームズとマリーは街の南西に居るらしいので、今なら宿に戻れるだろう。

 焼却場には明日行く事にして、一先ずクリスと宿に戻ろうとすると、


「よう。時空系の魔法を使う兄ちゃん。また会ったな」

「……あ! 昨日、ゴミ捨て場に居た人か」


 クリス曰く、街の悪い人の手下……が再び現れた。

 それを見て、小さく震えるクリスが、僕の背中に抱きついてくる。

 もしかして、クリスを取り戻しに来たのか!?


「僕に何か用ですか?」

「いや、俺たちに用はねぇんだが……兄ちゃんよ。アンタ、何かやらかしたのか?」

「やらかした……って、何を?」

「知らねぇよ。ただ俺たちは、今この付近に居る、場違いな奴を捕まえろって言われただけだ。何か知らねぇが、偉い人が変なカードを探しているんだってよ。兄ちゃん、心当たりは無いか? 出来れば、俺たちもアンタとはやり合いたくなくてな」


 昨日のゴミ保管スキルが効いているのだろう。

 すぐには近寄って来ない。

 だけど変なカードって……何の事?


『カーティスさん。もしかしたら、マリーが私を探す為に、人を雇ったのかもしれません』


 そっか。向こうは大雑把な位置であれば分かるんだった。

 で、ジェームズと一緒に居るから、お金で人を雇って、こうなったと。


「悪いけど、僕たちには何の事かわからないよ」

「そうか。だが、だからと言って、見逃す訳にも行かねーんだわ」

『カーティスさん! 囲まれています! 正面の男を含め、二十七人います』


 なるほど。無駄に長い話は、取り囲む為の時間稼ぎだったのか。

 自分をゴミ扱いしている人や、クリスみたいに人身売買? とかで協力させられている人は、ゴミ保管スキルでストレージに入れられるはず。

 何人残るか分からないけど、その残った人たちを何とか出来れば……


「ふっふっふ……前みたいにはいかねぇぜっ! お前ら! 一斉に飛び掛かれっ! 社会のゴミでも、貴族に勝てるって事を証明してやれっ!」


 あ、ゴミって言った。

 ……これは勝ったかも。


「……≪ゴミ保管≫」


 こっそり使ったゴミスキルで、話し掛けて来た男を除く、僕たちに飛び掛かって来た人たちが一斉に消え、


――ゴミスキルがレベルアップしました。ゴミ分別スキルが利用可能です――


 新たなゴミスキルが利用可能になった。

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