08 料理
今はひとりでお夕飯を調理中。
ルミさんがお手伝いするよと言ってくれたのに、他のふたりに引っ張られていきました。
後からリカさんがこっそり教えてくれたけど、
ルミさんのお料理は、
『美味しくなくは無い』けれど、とっても個性的とのこと。
『不味い』では無いところが、とても興味深いですね。
みんなが落ち着いたら、その実力の程を拝見させてもらいましょう。
お料理、できましたよ。
では、みんなそろっていただきます、の前に、
「お母さんのお料理は、基本的にはお味よりも栄養優先です」
「好き嫌いがあるかも知れませんが、残さず食べてくれると嬉しいです」
「では、いただきます」
最初は、おそるおそるといった感じでしたが、すぐに夢中になって食べてくれて、おかわりもたくさんしてもらえました。
後からルミさんがこっそり教えてくれたけど、
普段は食が細いマヤさんが、あんなにおかわりするのは珍しいのですって。
任せてマヤさん、お母さんのお料理のレパートリーはこんなものじゃないですよ。
後片付けしながら、声を掛けます。
「お風呂は狭いから、一度にふたりしか入れませんよ」
わしゃわしゃとお風呂を見に行った三人が、戻ってきてジャンケンしています。
ジャンケンの前振りって地域によって違うのが面白いですよね。
マヤさんが近付いてきて、他のふたりは浴室へ。
「お皿拭くね」
ジャンケン、負けちゃったんだ。
「勝ったよ」
にっこり笑ったマヤさん。
もう、この子たち、一日に何回お母さんを泣かそうとするのかしら。