03 三人
職員仮眠室の小部屋の前に案内されてきました。
施錠された扉越しに声を掛けてみましょう。
「こんにちは。 私の名前はミスキです。 お話しを聞いてもらえませんか」
かちゃりという音とともに、小さく開けられた扉。
「お姉さん、ひとり?」
怯えているけど、覚悟を決めたまなざしの娘さん。
「良かったら、中でお話しを聞かせてくれませんか。 私が入ったらすぐに鍵を掛けていただければ」
話をしている途中で腕を引っ張られて、中に入ると同時にかちゃりという音。
部屋の中には三人の娘さんたち。
壁際のベッドの上で、怯えたように三人抱き合っています。
この子たちの気持ち、『読心』なんて使わなくても痛いほど分かる。
涙が、止まりません。
気が付いたら、床の上に座り込んで泣いている私を、あの娘たちが抱きしめてくれていました。
すごく、恥ずかしいです。
「ごめんなさい、私……」
「お姉さん、大丈夫?」
扉を開けてくれた活発そうな子が、心配してくれています。
もちろん、他のふたりも心配そうに見つめてくれています。
「本当にごめんなさい。昔のことを思い出しちゃったみたいで」
「……」
ちゃんと、お話し、しなくちゃ。