懺悔
この度私は懺悔しなくてはならない事がある。
長い事止めていた。抑えていた事。
自傷行為をしてしまった事だ。
最近は特にひどくて目眩を覚えるほどに日に日に酷くなっていた。
それでも我慢できると思っていたし、抑えなければ…とも思っていた。
彼女との約束だったから、絶対に守りたかった。
でも駄目だった。
私は弱い人間だ。
壊れて行く精神を立て直す事が出来なかった。
少し前からあの感覚に囚われていた。
刃物をみる度抑えていた。
絆創膏や軟膏、ガーゼ、包帯、リストバンド…色々な物が掻き立てる。
そして、私は剃刀に手を伸ばしてしまった。
だけど、ずっと抑えていたから刃物は部屋には無かった。
買い物に行った時に手が伸びていた。
全てを準備して、剃刀を開けた。
ケースを外すと、とても綺麗に刃が光っていた。
そこに指をあてがうと、何とも言えない切れ味の良さが伝わってきた。
うっとりとする。
目立たないところを切るのを随分前から心掛けていた。
半袖でも見えない。そう、肩や腕の付け根等をやる。
相当な事がない限り見えないから。
銭湯は隠しきれないけど。
腕に剃刀を当てる。押し付けて、ゆっくり引く。
皮膚が切れる。
割けて行く感覚。
懐かしい、と言うのはおかしいのでしょうね。
痛みはない。
また自傷行為をしてしまった事。
そしてやはり痛みがなかった事。
この二つは病んでいる私の心に追い討ちをかけた。