不甲斐無い思い
子ども達に何かを言えるような立場では無いのではないか?
そう思うことは、正直言えば毎日だ。
理解してあげたい。
心を開放してあげたい。
でも、無理なのかも知れない。
心が病んでいる子。
心に傷を負っている子。
苛めにあっている子。
そんな限られた子ども達しか救えないのだろうか。
いや、それすら救えていない。
私相手だから言ってくれる言葉があるのかも知れない。
生意気な言葉でも、乱暴な言葉でも、泣き言でも。
それなのに私がそれをきちんと救えなければ、それを
言ってくれた子達に申し訳ない。
分かってくれるであろう大人だから、言ってくるのだろうに。
情けなくて泣きそうになる。
幼い頃、よく泣いていた。
だからか、人前で泣くのは恥だと思った。
そう思い続け二十年。
人前で泣いたのは、何回だろうか。
取りあえず、両手あれば足りるかな。
舌を噛み、手足に爪を立て、それを我慢する。
自分の愚かさのせいだ。
泣くくらいなら、そうならないように努力をしなければならない。
泣いて済ませようなんて、小学生の低学年で捨てる考えだ。
泣いてはいけない。
全てを聞くんだ。言ってくれた言葉を落としてはいけない。
辛くても、悲しくても、例え思いが通じていなくても。
それは自分が悪いのだから、受け入れなければならない。
泣くな。泣くな。
それなのに、家に帰ると涙は出ない。
ああ、それすらも私はなくなってしまったのだろうか。
涙すら出ない身体になってしまったのだろうか。
それを実感したら、更に自分が生きていない感覚に襲われる。