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第一話 新しい家
幼いときの話。
両親から聞いた部分もありますが、体験したことそのままです。
人名、地名は変えてあります。そして、自分の名前を何にしようかと悩みましたが良い名前が浮かびません。ですので、「ボク」とさせて頂きます。
名前は大切なのですが...。
ある日の事。
「ボク」は建築中の家の前にいた。
父が建てた家の工事の状況を見に来たのだ。
「大きい...。」幼かった「ボク」には、そう見えた。
ボーッと見上げていると後ろから声がした。
「ねぇ」と。振り返ると兄の「一樹」がいた。
兄「家の中を探検して来て良い?」それは、工事の人と話し込む父「亮介」に向かっての言葉でした。
父が大工さんに何か話す。
大工さんが「休憩にするぞ」と声をかけると他の大工さん達が皆、手を止め家から出て来る。
父「自分の部屋を決めて来い」と言うと兄はもう1人の兄「将太」に「行こう」と言って家の中に入って行った。
「ボクも」後を追おうとしたボクの手を母「路子」が強く握る「危ないからダメよ」
これがこの家での最初の記憶。