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爆縮と体温の機知(8)

無い物と引き換えと

姿をくらませる

徘徊するしわがれた木

網膜剥離の目玉で

明後日を眺めている

命綱の無い横断歩道で

テールランプの赤が点滅して

チョコレート味の人の世は

うつ伏せで寝転がれる

布団みたいだ


時間があれば

手を差し出すが

一人が追われる時間を

違う一人は肩代わり出来ない

そんな不可能が

優しさを弱くするなら

命の儚さなど

必要だとは思えないんだ


光が見えていると

白い杖が呟いた日

失くした大切な五円玉が

彼処にあると分からない

砂時計に悪戯をして

瓶が割れてしまったら

代わりに大きな瓶を入れて

混ぜてしまえる

誰かの狡さだ


命が足り過ぎるなら

時間を差し出すが

一人が持てる時間は

既に分量は足りなさ過ぎている

そんな我儘が

人間を駄目にするなら

権利の大切さなど

必要だとは思えないんだ


自分に優しい人だけ

地獄に落ちるのだとして

それを聞いて

他人に優しくし始めるのなら

そんな汚い命は要らない

得た物と引き換えに

それすら出来ない者が

引き換え無くても良いなんて

口が裂けても言えるかよ


存在のオマケに心があるのなら

心なんて差し出すが

一人の真ん中にある心は

癒着して

離れることは絶対に無い

そんな堕落した生き物に

何かを心配する資格は無い

たとえ人間の所為だとしても

それがこの惑星の運命だ





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― 新着の感想 ―
[良い点] 人の醜い一面が詩的に書かれていてすごく共感できました
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