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第1話 『天国か地獄かそれとも……』



「あなたを天国行きか、地獄行きかを裁きます……それとも転生しますか?」


 今俺は閻魔大王の前にいる、死んだようだ……閻魔大王といったら真っ赤な顔をして、怒顔(どがん)で死者の死後の裁きをする、冥界の主……転生?普通天国か地獄の二択だろう、しかもここにいるのは小娘だし…


「幸か不幸か、あなた綾瀬雅(あやせ みやび)さんはお亡くなりになりました、だから転生しませんか?」


 どう考えても死後に転生、設定が可笑しいだろう

「今転生って言ったのか?三択目ができたのか?」


「そうです転生、新たな人生ゲームです、こうやって毎日休みなく閻魔大王をしているのも退屈なのよね~と言っても週休2日、土日休みの閻魔大王の休みに派遣されている二番手の閻魔大女王ですけどね」


 そういえば今日は日曜日……と思いながら閻魔を見た、ポッキーをポキッと食べている、(てい)たらくな休日モードの派遣閻魔は……閻魔がダイス、コロコロってありえねーだろ。


「閻魔大王に休みがあるのかよ!365日24時間年中無休だろうよ」

「閻魔大王にも休みは必要でしょ、働き方改革よ」


 生前の日本でも大分浸透してきた働き方改革はここまで浸透してきたって事か……ちょっと待て……普通閻魔大王といったらゴツいおっさんだろうよ……ここにいるのは見たところ年齢は14~15くらいにしか見えない小娘……


「あなた今、私を見て二度小娘って思たわよね、こう見えても私は10万14歳よ、閻魔大女王に逆らったら地獄行きよ、こう見えても冥界のNo.2よ」


 10万14歳ってそんな悪魔いたよな……こんな奴がNo.2って……


「小娘なんて…言ってません、地獄は嫌です、天国に行かせてください」


 おいおい俺の心を見透かした閻魔…迷わず天国一択のところのはずが……


「いいえ、天国にも行かせません、転生しなさい、ゴールすると輪廻転生できるわよ、イヌやネコ、昆虫にでもお好きな生物にね」


「どうせなら天国でのんびり暮らさせてくださいよ」


「ブブ~もう、ダメで~す、独りで転生ってのは退屈でしょ……だからメンバーも集めておいたから……とその前にどこに転生するか決めてくださいね~?」


「場所って、現世だけではないのか?」


「いいえ、異世界で転生です、近未来異世界、現世異世界、中世異世界、古代異世界の中から選んでくださ~い」


 俺は閻魔にマニュアルを渡された、そこにはそれぞれのイメージ図が…


近未来異世界…自動車が空を飛びかう、宇宙に旅行時代…ちょっと宇宙なんて想像できないな……


現世異世界…高層ビルが立ち並ぶ普通の世界……今居る世界じゃん、せっかくの転生なのに同じ現世もありふれてるな……


古代異世界…恐竜が闊歩する……って食われるじゃねーかよ……没


中世異世界…馬車の走るレンガ作りの街並み、これしか残ってねーじゃん……


でも近未来も捨てがたい……どこかの社長みたいに宇宙にも行ってみたい。



「また~早く決めてくれませんか~メンバーがお待ちなんですけど~」


「だからメンバーって誰よ?」


「じゃ~先にメンバー4人を紹介するわね、まずは1人目綾瀬雅」


「それは分かってんだよ、2人目は閻魔お前だろ」


「私は参加しませ~ん、明日は月曜日閻魔大王が出勤するので勤務は今日で終わりなもんでね~見させてもらいま~す」



 "ドスン・ドスン・ドスン"大きな足音が近づいてきた、またデカい身体の死者が閻魔の元へやってきたもんだ、ふと閻魔大女王を見上げると顔は青ざめている、足音の方へ目をやると休日だと言っていた閻魔大王がやってきたのだ……


「エマジョよ、ワシの休日にずいぶんと遊んでくれたな」


 慌てふためく女王……


「閻魔様、あの…その…遊んでいた訳ではなく…」


 俺はこのやりとりを静観する事にする。


「エマジョ、お前も転生に参加してこい、場所もメンバーもワシが決めてやる、これはお前の怠惰に対する報いだ」


「そんな~」


 これは俺も分が悪い……俺が決めるはずだった転生の場所、閻魔様に決められては楽しくもないので発言する事に。


「あのー閻魔様、綾瀬雅です」


 閻魔様は怒願で俺を睨みつけられた瞬間、どわっと強風が俺を襲う、恐え~


「お前は先ほどからいる死者か、心配するなお前もメンバーのひとりだ」


「できればでいいんですが……中世異世界でお願いできませんかね…未来は想像できませんし、古代は恐竜に食べられると困りますので……」

 

「お前の意見を採用してやろう、でメンバーなんだがエマジョとお前のあとの2人の死者とする」


 俺は順番待ちの列があるのか後ろを振り返りみてみた、誰もいない、エマジョとはいうと、ひどく落ち込んでいる、そして許しをこい始めた……


「閻魔様許してくださいよ~真面目に働きますから~」

 エマジョは必死だ。


「閻魔様、俺の後ろ誰もいませんよ~」


「まだ死人が出ていないんじゃな、メンバーがきたら送り込んでやる、先に2人で行ってくるがいい!」


閻魔様が(しゃく)を振り下ろすと、地面に渦ができて俺達2人は吸い込まれて行った……


「中世異世界にも恐竜は居ないがドラゴンや、魔王もいるんだがな」


「え?今なんて言いました?閻魔様!閻魔様~~~~~~~?」


「そんな~わたしまで~~~~~~~」


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