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101.続・森の民とおっさん―4

 キットの言葉を聞いて、イシュアの眉間に皺が寄る。


「おいおいおい……そいつぁ、いったいどういうことだ? 今までの話を聞いてたのか? 俺達が何のためにこの森を守っているのか、その意味を考えたら、そいつが一番の御法度だってことは分かるはずだが?」


「もちろん、そんなことくらいオレにも分かってるさ! でも、ダメなんだ……少しでも、オレは“狼”に近付かないと」


「…………はァ?」


「オレの命は、もって後数ヶ月のものだから」


 キットの真っ直ぐな眼差しは、その事実が嘘ではないと伝えるのには、十分過ぎるほどの力を持っていた。


「どういうことだ。ちゃんと、アタマから説明しねぇか」


「オレは、生まれつき『形質反転』をしていて――」


 それから、キットは自分のことを正直に話した。


 自らの血統が『形質反転』であること。

 そのため、寿命が極端に短いという宿命を背負っていること。


 そして、その呪いのような宿命を打ち破るために――“神狼”に会う必要があるということ。


「おいおい……なんで寿命を延ばすのに、神狼様に会う必要があるってんだ」


「“超越種”が持つ人智を超えた力は、時に人の病や怪我を、たちどころに治すことがある。これは私の経験談だ。そして、キットの血統に最も近い“超越種”は、“神狼”だろうと考えている」


 グルゥの話を聞いて、イシュアは大きくため息をつき、右手で顔を覆った。

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