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97.異世界勇者・伍とおっさん―5

 だが、事態が変わっていったのは――そこからだった。


「ん? あ、あれ? なんだこれ」


 アキトに突き飛ばされて床の上を転がった小太りの男は、驚いたように自分の手のひらを見つめている。

 そこには、生臭い真っ赤な液体がべっとりと付いていた。


 脇腹には、赤い染みと無数の輝く破片。

 床を転がった拍子に、落ちていたガラスを押し潰してしまったのである。


「あ、ああああああああああっ!! やべぇよ、これ、かなりやべぇっ」


 小太りの男の悲鳴を聞いて、カエデの顔色は蒼白になる。

 アキトもすこしたじろいで、どうするべきか、迷っているようだった。


「るっせーな、そんなのかすり傷だろ!? それより、早くあのガキをぶちのめせよ、通報されたら厄介だ」


「いや、血が止まんねぇって!! これ、かなり――」


「病院行くにしても、口封じをしねーと俺らの方が終わりだろうが!! ほら、早くやれって!!」


 痩せぎすの男の言葉を聞いて、少し冷静になった小太りの男は、アキトを鋭い目つきで睨んだ。


「お、お前っ、お前のせいで、死んだらどうすんだ……っ!!」


「知らねーよっ! そんなん、自業自得だろっ!!」


 吐き捨てたアキトに対し、小太りの男が殴りかかる。

 最初の一撃こそ避けたものの、そのまま体当たりを食らったアキトは、床の上に仰向けに倒れた。


 体格差は圧倒的だ。

 アキトにのしかかった男は、そのまま両手でアキトを何度も殴りつける。

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