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97.異世界勇者・伍とおっさん―1

「驚いたよ。まさか、シノカミが生きてたなんてさ」


 怪我の具合が回復し、動けるようになったところで、カエデは真っ先にシノカミに会っていた。


「うん、っと……ここでは、“シロカミ”って呼んでくれないかな」


「…………は? 何それ、ダサくね?」


「うーん……僕も、そう思うんだけど」


 が、元の呼び名では、自分でももう一人の“シノカミ”と区別を付けることが出来ない。

 シノカミもといシロカミは、徐々にその呼び名を受け入れつつあった。


「まあ、いいや。シロカミの方が良いならそう呼ぶよ、シロカミ」


「あ、ありがとう。そうやって真っ正面から言われると流石に恥ずかしいけど……それより、今はもっと大事な話があるよね」


 復興中のジルヴァニア城の中庭で、二人は木陰に隠れるようにして、ひっそりと言葉を交わす。


「勇者戦争のことだろ。正直私も、こんな大変な話になると思ってなかったよ」


「ゲームマスターであるユグドラシズは……初めから、自分が恩恵を受けられるように、“クロカミ”に肩入れしていたんだ」


「しかも、その正体がユズだったなんてさ。ヘンなヤツだとは思ってたけど、まさか、そもそもこっちの世界の人間だったとはね。マリモは、ユズと一緒に行動してたから、結構ショックだったみたい」


 カエデの言葉に、シロカミは黙って頷く。


「少し……状況を整理しようか」


 シロカミはそう言うと、落ちていた木の枝で、中庭の地面に絵を書きながら話し始めた。

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