表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
913/984

93.愛娘とおっさん―8

「“絶対拒絶(アンチ・マター)”――」


「遅いッつってんだろッ!!」


 とっさにチートスペルを発動させたユズだが、それを言い切るよりも早く、キットの手刀が首筋を狙っていた。


「おっ、と」


 が、とっさにシノカミの右手がキットの手を捕らえていた。

 手刀の切っ先は僅かにそれ、ユズの頬に一文字の赤い筋がつく。


「ちッ」


 舌打ちをしたキットに対して、シノカミの右目が赤く光った。


「終わりだ、命を刈り取る右手(デスサイズ・ハンド)』」


 黒い靄がシノカミの右手を包み、キットから生命力を奪っていく。

 瑞々しい肌が瞬く間に枯れていき、そのまま朽ちていくように見えたが、


「接触が必要なのは、お互い同条件ってワケか」


 キットの目は全く死んでいなかった。

 むしろ、これを待っていたと言わんばかりに、鋭い目でシノカミを睨みつける。


「喰らえよッ、オレの雷ッ!!」


 キットの全身から放たれる電撃。

 シノカミはハッとして手を離したが、その時には既に右手が黒く炭化していた。


「“衝撃波ハイパーソニック”」


 キットとシノカミが離れたところで、ユズは衝撃波をキットの上からぶち当てる。

 キットはその勢いで地上へ吹き飛ばされ、両者の間に追いつけないほどの距離が空いた。


「犬めが……大事な体に、傷を付けやがって」


 小さくなっていくキットを睨みながら、ユズは恨みがましく怨嗟の言葉を吐くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ