表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
911/984

93.愛娘とおっさん―6

「さて……どうやらそろそろ、時間切れのようだね」


 ユズが横目で見た先には、一人の少年と、もう一人、中年の男がいた。


「首尾はどうだい? シノカミ」


「……ごめん、邪魔が入った。命を奪うまでは至らなかったよ」


 少年の方はシノカミだ。

 そしてもう一人、中年の男は、見覚えのある端末を操作して何かを調べている。


「『|異世界式電子式多機能式端末アクセス・デバイス』によれば、あと数分でコイツらの仲間がここに集まるぞ。そうなれば、いくら俺達でも危ういはずだ」


「分かってるよ、“先生”。遊びはここまで……あまりお父さんを挑発して体を傷付けてしまえば、本末転倒だからね」


 先生、と呼ばれた眼鏡の男は、かつてユズが使っていた端末を手にしていた。


 いったい、誰が異世界勇者で、どんなチートスキルを使っているのか。

 グルゥは混乱しながらも、三人の前に立ち塞がった。


「待て……何処へ行くつもりかは知らないが、お前達を逃がすつもりは無い」


「ふーん。じゃ、せいぜい足止めしてみれば? もっとも、そんなの、脳筋の君じゃあ無理だろうけどね」


 そう言って、パチンと指を鳴らすユズ。


「チートスペル“連続発動(オートリロード)”」


 一見すれば、何の変化が起きたのか分からないチートスペルだった。

 だが次の瞬間、ユズは矢継ぎ早にチートスペルを発動させる。


「“飛翔術(フライトウイング)”、全体化(オールライズ)”」


 三人の背中に白い翼が生えたかと思うと、その体がふわりと宙に浮く。

 どうやらそのまま逃げるつもりのようだが、グルゥはとっさに熱射線を吐いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ