表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/984

10.イカとおっさん―1

「えええええええええええええええええええええっ!?」


 サリエラの驚きの叫びが、ニサードの村中に響き渡った。

 それもそのはずで――グルゥの包丁捌きはあまりにも華麗で、そのゴツい見た目にはとても似つかわしくないスピードで、テキパキとイカを捌いていく。


「ま、独り身の時期が長かったからな……簡単な料理なら出来るさ。サリエラは、捌いたイカを干すのを担当してくれるか?」


「な、なんか屈辱です……! 私だって、イカを捌くことくらい……!」


 負けられないと思ったのか、闘志を燃やすサリエラ。

 だが、


「えいっ!」

「おい、どっかに飛んでったぞ!?」


「やぁ!!」

「危ないっ、私を殺す気か!?」


「とうっ!!」

(軽く刺さったけど腹筋で止まったし黙っておこう……)


 サリエラの包丁捌きは、それはそれは酷いものだった。

 本当にこの村の生まれなのか? と若干疑わしく思えてくるグルゥ。


「な、なんですか……そんな哀れむような目で私を見て!?」


「い、いや、その。やっぱり、捌くのは私がやるよ。その方が、流血沙汰にならなそうだ」


 さり気なく酷いことを言いながら、グルゥはサリエラから包丁を取り上げる。

 サリエラは完全に意気消沈し、肩を落として家の中に戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ