表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
863/984

88.炎と水とおっさん―5

 三方からジルヴァニア城に攻め入る、一斉攻撃。

 その両翼は、ヴァングリフ率いるコクアの軍と、シュテンが率いるアマツの武士達である。


 グルゥはたった一人で、陽動として中央突破を行うことを任された――いや、自ら志願したのだ。


(今の私では、まだ熱球の力は制御出来ない。味方に余計な手間を掛けないためにも、これが最適だったのだ)


 そして今、先陣を切ったグルゥに遅れて、ようやく両軍がジルヴァニア城まで辿り着いたのである。


「だが……なんで王子が、こんなところにまで来たんだ」


「なんでって、グルゥおじさんのことが心配だったからに決まってるだろ」


「そんな心配、無用だ…………と言い切れない状況なのが私の格好悪いところだな」


 二人のやり取りを見て、エルゼシュトはフラムリッターを構えたまま呆気に取られていた。


「魔人の増援、だと……ッ!?」


「んで、お前は俺とやる気なのか? あァ? 若い騎士さんよぉ。悪いが、グルゥおじさんは俺の嫁さんの“命の恩人”だ。戦うつもりってんなら……俺はグルゥおじさんほど、優しくはないぜ?」


 啖呵を切るヴァングリフの圧力に押され、エルゼシュトはじりじりと後退する。

 若いながらにも積み重ねてきた戦いの経験が、“勝ち目はない”という事実をエルゼシュトに告げていた。


「…………ァハッ」


 圧倒的に不利な状況の中――不気味な笑い声をあげたのは、リーヴスだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ