表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/984

9.ビンタとおっさん―2

 鼓膜をつんざくような大絶叫だった。

 思わずグルゥは耳を押さえて、慌てて少女の視線の先を辿ってみる。


 皿を取り落としてひっくり返し、両手で顔を覆う少女の恥じらい方からして、まさか足を広げてアレでも見せてしまったのかと――そう、焦るグルゥだったが、


「ん、むぅ。ちゃんとパンツも替えてもらってるな」


 どうでもいい発見をし、何となく嬉しくなる。


 とすると、少女がそこまで驚く理由が分からなかった。

 あまりにも自分の顔が怖すぎたのだろうか?


 少女はまだ顔を手で覆っていたが、よくよく見ると、その指の隙間からチラチラとこちらの様子を窺っているようだ。


「ち、ち、ち……」


「ち? ……まだ、出血でもしていたか? 脅えさせてしまったのなら、すまな――」


「乳首ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


 少女は人差し指を突き出して、その決定的な事項を指摘する。

 グルゥは唖然として、自分の胸元をよく見てみた。


 どうってことはない。

 至ってごく普通の乳首だ。


「え……すまん、よく分からんのだが」


「乳首が出てますっ!! ちゃんと、包帯で覆っておいたはずなのにっ!!」


 まさか少女は、男の乳首一つでこれほどウブな反応をしているのだろうか。

 呆気に取られるグルゥだったが、ついに少女は顔を覆ったまま、部屋から出て行ってしまった。


 ……ように見えたが、ドアの隙間からチョロチョロを顔を出し、グルゥの様子を覗き込んでいる。


「いや見たいのか見たくないのかどっちだよ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ