表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
804/984

82.遺恨とおっさん―4

「儂は、この赤ん坊をヌエツトの城内に幽閉して育てようと考えておる」


 デルガドスの言葉は、そんなグルゥの脳天に雷が落ちたような衝撃を与えた。


「そ、それは……王子から子供を取り上げるということですかっ!? どうして、そんな――」


「これを見よ。……決して、他言は無用だぞ」


 デルガドスは、傷つけないようにゆっくりと、赤ん坊を包んでいた布を剥がしていった。

 裸になった赤ん坊を見て、グルゥは衝撃を受ける。


「そ、その尻尾は――」


「ああ、そうだ。……事もあろうに、あのバカは、他の血統を交わりおった。それも、矮小な『ベルゼブブ』とよ」


 赤ん坊のお尻には、黒くて細い尻尾が生えていたのだ。

 グルゥは言葉を失って、目の前の光景を黙って見つめていた。


 ――その時だ。


「そういう、ことかよ……ッ」


 バンと大きな音がして、玉座の間の扉が蹴破られる。


 ハッとして振り返るグルゥ。

 対照的に、デルガドスはまるで分かっていたかのように、にやりと口元を歪めた。


「王子……っ!?」


「邪魔するヤツは……全員ぶちのめしてきた……ミルププは、お前には渡さない……ッ!!」


 半裸のヴァングリフが、満身創痍の状態でそこに立っていたのだ。

 銀色の髪の毛は逆立ち、今にも魔獣化を果たしそうなほど、その目には『憤怒』が満ちていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ