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8.決着とおっさん―8

 キットは瞳孔の開き切った目でマリモを見つめ、激しく怒りで震えていた。


「お前……がやったのか。お前が、親父を殺した……!!」


 その目には、まるで獣のような殺意が込められている。

 マリモは後退りをして、何度も何度も首を横に振った。


「違う、違うのっ!! 私は殺す気なんてなかった、私は――」


「違わないッ!! お前が、親父を殺したんだッ!!」


 その叫びと同時に、堰を切ったようにキットの目から大粒の涙が溢れ出す。

 そしてもう一度ダガーを口に咥えようとしたが――


「おっと、そうはさせねーぜ」


 キットが姿勢を低くしたところで、アキトはすかさずその頭をボールでも扱うかのように蹴り飛ばした。

 キットは真横に吹き飛んで、そのまま気を失い動かなくなる。


「ちょっとっ!? そんな小さい子に、やり方ってものがあるでしょ!?」


「やらなきゃ、マリモ先輩がやられてた。もう少し考えた方がいいぜ」


 アキトはしゃがみ込むと、キットの瞼を何度も開け閉めし、意識を失ったことをしっかりと確認する。

 そこに、手を押さえながらマリモが駆けつける。


「しかし、さすがマリモ先輩の『魔弾の射手(フライクーゲル)』だな。あれだけ頑丈だった魔人が一撃で吹き飛んだぜ。やっぱ俺の『七七七つの特殊能力セブンセブンセブンスキルホルダー』は、便利なんだけど破壊力に欠けるぜ」


「そんなこと……どうして、今言ってられるの!? 私は、人を殺しちゃったんだよ!?」


 アキトの頬を叩こうと、怪我を負っていない左手をあげるマリモ。

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